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中国の工業ロボット、ミドルレンジ・ハイエンドへの転換が加速
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2018-07-24 16:32:52 | 人民網日本語版 | 編集: 王珊寧

  中国ロボット産業聯盟がこのほど発表した統計によると、昨年、中国製の工業ロボットの市場シェアは前年比6ポイント下降の27%以下となった。ここ5年で初の下降となった。2013年以降、中国はすでに5年連続で世界最大の工業ロボット消費国となっている。市場の需要が非常に高いため、ここ5年の中国製ロボット産業の規模は20%のペースで急速に成長している。業界関係者は、「現在、工業ロボット産業はモデル転換・高度化の重要な段階に差し掛かっており、中国は、コア技術の向上を重視し、業界の発展規範化の旗振りを行い、さらに、産業がミドルレンジ・ハイエンドに向かって世界の先頭を走ることができるよう、次世代ロボットの配置を積極的に進めなければならない」と指摘している。人民日報が報じた。

  

  進歩は明らかでもコア技術が不十分

  2017年、中国製の工業ロボットの生産台数は前年比81%増の13万1000台と、17年末の中国全土のロボット関連の企業は計6500社以上となっている。

  天津市科学研究所のエンジニア・趙絵存氏によると、中国のロボット産業の発展は現在、ミドルレンジ・ハイエンドに向かってモデル転換が加速しているというのが新たな特徴で、コア部品やシステムインテグレーションの面で顕著に向上し、一部の分野では世界最高峰の水準に近づいている。

  業界関係者は、「精密減速機、コントローラー、自動制御装置、高性能ドライバーなどのコア部品、コア技術が不足しているため、中国国産の独自ブランド工業ロボットの世界市場における競争力は全体的に強くない」と指摘する。

  ファーストムーバーアドバンテージと技術力を武器に、ABB、安川、発那科、庫■(■は上と下が上下に組み合わさった字)の四大ブランドが中国国内の工業ロボット市場シェアの大半を占め、ハイエンド工業ロボットの分野では特にその動向が際立っている。中国製ロボットの市場シェアは約3割にとどまっており、その大半が組み立てとOEMをメインとしている。専門家は、「現在、中国のロボット産業は、低水準の重複建設、盲目的な発展の兆候などに警戒する必要がある。一部の企業は主に、政府の各種補助でなんとかやり繰りしているだけで、その状況は早急に改善しなければならない」と警鐘を鳴らす。

 

  モデル転換・高度化のターニングポイント 積極的に新世代ロボット配置を

  情報技術、特にインターネット、人工知能などの技術と深く融合するにつれ、ロボット産業は現在、モデル転換・高度化のターニングポイントに差し掛かっている。多くの業界関係者が、「今後、『機械』から『ロボット』への大きな変化が実現し、新世代ロボットが一層スマート化し、中国のロボット産業のミドルレンジ・ハイエンドへのレベルアップ実現に拍車をかけるだろう」との見方を示す。

  趙氏は、「人工知能技術の発展は、『スマート+ロボット』を業界の新たな発展の動向にしている。新技術を導入することで、ロボットは人との協力、調和が完全に可能になっている。新世代ロボットは通常『協働ロボット』と呼ばれている。協働ロボットは、世界各国で、未来のロボットの高度化・発展の重要な方向性と見られている」との見方を示す。

  爾智机器人の温中蒙・総裁は、「ビジュアルや音声を組み合わせることのできる人工知能技術のおかげで、協働ロボットが現在、ロボットのスマート化実現に最も近い方法と見なされており、新小売り、リハビリ医療、教育などの分野で、応用の重要なポテンシャルを秘めている」とする。

  そして、「協働ロボットは近年発展し始めたばかりで、中国国内外の水準は横並び。そのため、私たちにも先頭を走るチャンスがある。中国はロボット応用の分野で最大の市場で、その応用テストを行い、商品の性能を向上させるための十分な環境がある。そして、市場のメリットを、技術のメリット、産業のメリットに変える環境がある」との見方を示す。

 

  (人民網日本語版)

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中国の工業ロボット、ミドルレンジ・ハイエンドへの転換が加速

新華網日本語 2018-07-24 16:32:52

  中国ロボット産業聯盟がこのほど発表した統計によると、昨年、中国製の工業ロボットの市場シェアは前年比6ポイント下降の27%以下となった。ここ5年で初の下降となった。2013年以降、中国はすでに5年連続で世界最大の工業ロボット消費国となっている。市場の需要が非常に高いため、ここ5年の中国製ロボット産業の規模は20%のペースで急速に成長している。業界関係者は、「現在、工業ロボット産業はモデル転換・高度化の重要な段階に差し掛かっており、中国は、コア技術の向上を重視し、業界の発展規範化の旗振りを行い、さらに、産業がミドルレンジ・ハイエンドに向かって世界の先頭を走ることができるよう、次世代ロボットの配置を積極的に進めなければならない」と指摘している。人民日報が報じた。

  

  進歩は明らかでもコア技術が不十分

  2017年、中国製の工業ロボットの生産台数は前年比81%増の13万1000台と、17年末の中国全土のロボット関連の企業は計6500社以上となっている。

  天津市科学研究所のエンジニア・趙絵存氏によると、中国のロボット産業の発展は現在、ミドルレンジ・ハイエンドに向かってモデル転換が加速しているというのが新たな特徴で、コア部品やシステムインテグレーションの面で顕著に向上し、一部の分野では世界最高峰の水準に近づいている。

  業界関係者は、「精密減速機、コントローラー、自動制御装置、高性能ドライバーなどのコア部品、コア技術が不足しているため、中国国産の独自ブランド工業ロボットの世界市場における競争力は全体的に強くない」と指摘する。

  ファーストムーバーアドバンテージと技術力を武器に、ABB、安川、発那科、庫■(■は上と下が上下に組み合わさった字)の四大ブランドが中国国内の工業ロボット市場シェアの大半を占め、ハイエンド工業ロボットの分野では特にその動向が際立っている。中国製ロボットの市場シェアは約3割にとどまっており、その大半が組み立てとOEMをメインとしている。専門家は、「現在、中国のロボット産業は、低水準の重複建設、盲目的な発展の兆候などに警戒する必要がある。一部の企業は主に、政府の各種補助でなんとかやり繰りしているだけで、その状況は早急に改善しなければならない」と警鐘を鳴らす。

 

  モデル転換・高度化のターニングポイント 積極的に新世代ロボット配置を

  情報技術、特にインターネット、人工知能などの技術と深く融合するにつれ、ロボット産業は現在、モデル転換・高度化のターニングポイントに差し掛かっている。多くの業界関係者が、「今後、『機械』から『ロボット』への大きな変化が実現し、新世代ロボットが一層スマート化し、中国のロボット産業のミドルレンジ・ハイエンドへのレベルアップ実現に拍車をかけるだろう」との見方を示す。

  趙氏は、「人工知能技術の発展は、『スマート+ロボット』を業界の新たな発展の動向にしている。新技術を導入することで、ロボットは人との協力、調和が完全に可能になっている。新世代ロボットは通常『協働ロボット』と呼ばれている。協働ロボットは、世界各国で、未来のロボットの高度化・発展の重要な方向性と見られている」との見方を示す。

  爾智机器人の温中蒙・総裁は、「ビジュアルや音声を組み合わせることのできる人工知能技術のおかげで、協働ロボットが現在、ロボットのスマート化実現に最も近い方法と見なされており、新小売り、リハビリ医療、教育などの分野で、応用の重要なポテンシャルを秘めている」とする。

  そして、「協働ロボットは近年発展し始めたばかりで、中国国内外の水準は横並び。そのため、私たちにも先頭を走るチャンスがある。中国はロボット応用の分野で最大の市場で、その応用テストを行い、商品の性能を向上させるための十分な環境がある。そして、市場のメリットを、技術のメリット、産業のメリットに変える環境がある」との見方を示す。

 

  (人民網日本語版)

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