【新華社北京7月23日】「一帯一路」構想が提起され、今年で5年を迎える。この5年、「一帯一路」は着実な成果を挙げ、中国は80以上の国・国際機関と「一帯一路」に関する協力協定に調印しており、100以上の国・国際機関が「一帯一路」建設に積極的に参画している。経済参考報が伝えた。
「一帯一路」建設は予想以上の効果を上げたものの、課題にも直面している。中国と「一帯一路」沿線諸国は政策に関する意思疎通や、貿易促進メカニズムの強化などにより、企業の後顧の憂いをなくしている。「一帯一路」構想の推進、ソフト・ハード環境の改善に伴い、中国の海外投資が拡大しており、「走出去」(海外進出)する中国企業が増えている。中でも、中央企業は「一帯一路」建設に参画する主力となっている。
▽様々な難題を打破、多くの成果を取得
「一帯一路」構想が提起された当初、協力の推進で様々な課題に直面した。まず、立ち遅れたインフラは「一帯一路」沿線諸国の経済発展の主な弱点だった。「一帯一路」建設の更なる推進により、中国と「一帯一路」沿線諸国の経済・貿易往来はますます頻繁になり、中欧班列(中国とヨーロッパを結ぶ国際定期貨物列車)は、運行本数が増加し、カバーするエリアも拡大している。 次に、ソフトウェアの面では、中国は「一帯一路」沿線諸国と一連の協力協定に調印し、ビジネス環境の改善で合意した。
商務部の最新データによると、1~5月、中国企業が「一帯一路」沿線の54カ国に新たに投資した額は前年同期比8・2%増の59億3千万ドル(1ドル=約111円)に達し、「一帯一路」沿線諸国での対外請負プロジェクトの新規契約額は362億2千万ドルで、全体の42・4%を占めた。売上高は307億4千万ドルで、全体の54%を占めた。
▽政策を追い風に、中央企業の参画は加速
中国国有資産監督管理委員会(国資委)の彭華崗副秘書長はこのほど、国務院新聞弁公室の記者会見で、今まで、「一帯一路」沿線諸国において中央企業80社余りが請け負った投資プロジェクトは3116件にのぼり、現地経済の発展に大いに貢献したと明らかにした。
この5年、中国交通建設股份有限公司(中国交建)が参画した「一帯一路」沿線諸国・地域の建設プロジェクトは1千件以上にのぼり、新規契約額は630億ドル強、開発計画中の産業パークプロジェクトは20件強、総投資額は50億ドル近くとなっている。
港湾建設の面では、中国交建は世界の上位10港(コンテナ取扱量)中、7港の設計・建設に携わり、「一帯一路」沿線諸国・地域に建設した深水バースの数は95カ所に達した。
電力の需要と消費の拡大で、「一帯一路」沿線諸国の広い市場空間はエネルギー協力にユニークな条件を提供している。電力業界向けのソリューションを提供する中国能源建設股份有限公司(中国能建)は、2014~17年、「一帯一路」沿線諸国での累計契約額は3千億元(1元=約17円)近くで、中国企業による契約額の10%以上を占めた。
中国規格は現在、ベトナム、ロシア、ベラルーシ、パキスタンなどの国で一連のブレークスルーを果たし、国に大きな社会・経済効果をもたらし、発展途上国で初期的な規格主導権を取得した。中国能建の「一帯一路」沿線諸国での建設中または建設予定のプロジェクトは700件にのぼり、大多数のプロジェクトが中国規格を採用している。
▽開放拡大を堅持、戦略的展開を継続
国務院発展研究センターの李偉主任は「一帯一路」建設座談会において、近年来、国務院国資委は「一帯一路」構想について、中央企業の積極的な参画を指導し、前向きの進展を遂げたが、「一帯一路」建設の更なる推進に伴い、中央企業が直面する課題も多いと述べた。
李偉氏によると、国務院発展研究センターは中央企業の「走出去」の成功事例を総括し、新たな問題を深く分析した上で、対応性のある建設的意見を提出し、中央企業の「一帯一路」建設への参画に向けた力強い支援を提供していく。
国資委の肖亜慶主任は、世界政治・経済情勢の新変化・新状況を前に、中央企業は開放拡大を堅持し、「一帯一路」沿線諸国・地域との提携を深め、互恵・ウィンウィンのモデルを絶えず充実化させる必要がある、と指摘する。
中国能建の関連責任者は、「中央企業は『一帯一路』建設の主力であり、けん引役をしっかり務める必要がある。中国能建は産業チェーン全体に広がる優位性を足掛かりに、自社の強みを十分に発揮し、『一帯一路』建設に寄与し、戦略的規画、組織の枠組作り、業務モデル、市場多元化などの面から、構造転換や事業展開を積極的に進めていく」と語った。
中国交建の孫子宇副総裁は、中国交建は引き続き海外優先の戦略により、海外開発に対する責任や奨励といった6つのメカニズムに及ぶ23項目の内容を対象に、優遇策や保障措置を提供し、経営ネットワークを整え、グローバル化経営水準の向上を図る考えだと述べた。
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