【新華社武漢7月24日】中国の三峡地区は長江流域の「緑の宝庫」、「種の遺伝子バンク」とも呼ばれ、多数の希少種と固有種の植物を有している。
長江希少植物研究所の黄桂雲高級エンジニアは1992年から、同地区の希少植物に対する追跡観測を開始した。黄氏は「三峡ダムの貯水後、海抜がやや低い場所の植生は水没し、やや高い場所の植生は移住した住民の活動による影響を受けた。これらの希少植物を全て保護するなら、時間との戦いになる」と語る。
三峡ダムの建設と運営を手がける中国長江三峡集団は、同ダムが生態環境に与える影響の排除や緩和を目的に、億単位の資金を次々に投じ三峡苗木研究センターを設立した。また、毎年500万元(1元=約16円)を割り当て科学研究と保護活動を支援し、業務に精通した人材を調達して「黄桂雲イノベーションスタジオ」などを設立した。
研究所は現在、中国最大の三峡地区特有の希少植物遺伝資源バンク、保全拠点となっている。研究所にはダム地区の植物436種、1万8千株余りが移植、保護されている。
長江流域の植物資源状況に基づき、研究所は「第13次五カ年規画(2016‐2020年)」期末には保護品種を1千種にまで拡大する予定だという。また向こう3~5年で、三峡ダム地区の12・8平方キロメートルの範囲に、既存の一般的な緑化植物と育てた希少種・固有種の植物を徐々に入れ替えていくとしている。
黄氏は「三峡を訪れる観光客はいずれ、三峡ダムだけでなく、素晴らしい生態環境と美しい景色の希少植物園を見学できるだろう」と語った。
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