【新華社瀋陽７月２４日】今年７０歳になる崔明華さんは中国東北部の遼寧省撫順市新賓満族自治県に暮らし、幼い頃から母親についてチャイナドレス（旗袍）の仕立てを学んだ。彼女の工房では伝統的な手作業による制作が受け継がれ、高く評価する人が増えている。
工房には１９６７年製の古い足踏みミシンが置かれている。崔さんが結婚した時に購入したもので、彼女に数十年間付き添った今でも現役だ。ミシンを手にした時から、チャイナドレス作りが崔さんの日課となった。
崔さんは「チャイナドレスは過去１００年余りで大きく発展した。数多くの流派が現れ、仕立てにも多くの近代設備が使われるようになった」と述べた。自身の工房ではチャイナドレスの制作と改良に伝統的な技工を取り入れることで、自身の特色を生み出したと説明した。
崔さんの工房は今、目立つ看板や明るい照明を出していないにもかかわらず、彼女にドレスの制作を注文する人が絶えない。
崔さんの故郷、新賓満族自治県は２０１７年、中国ファッション協会から「チャイナドレスの故郷」の称号が与えられ、同県を代表する新たな要素が加わった。また、今年６月２３日には県内のヘトゥアラ古城に撫順旗袍博物館が正式に開館し、チャイナドレス専門の展示場が誕生した。
同県には現在、２０数人のチャイナドレス制作と満族刺繍の伝承者がいる。さらに、２００人余りの満族刺繍職人が養成されたほか、手作業でチャイナドレスを仕立てる工房１０数社が発展の支援を受けている。同県のチャイナドレス産業は、デザインから加工、展示から販売まで全方位的な産業チェーンがひとまず形成され、連動型発展を実現した。また、チャイナドレス産業を重点発展産業とし「チャイナドレス産業３カ年活動計画」を制定した。２０２０年にはチャイナドレス産業の生産額は５億元（１元＝約１６円）、観光客受け入れ数は延べ１５０万人、創出される直接雇用は２千人に達すると見込んでいる。
同県の陶承海県長は、チャイナドレスの概念は今や地域や民族というコンプレックスから解き放たれ、伝統的な衣服を表す名詞になったと指摘。同県は「チャイナドレスの故郷」という知名度と影響力の向上に尽力し、チャイナドレス産業を発展させ、地域の特色ある新業態を確立するとの考えを示した。
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