【新華社北京7月18日】「2018国際通貨フォーラム」がこのほど、北京の中国人民大学で開かれた。「『一帯一路』(シルクロード経済ベルトと21世紀海上シルクロード)構想下の自由貿易と金融開放新構造」をテーマとしたフォーラムでは、業界や学界からの出席者らが人民元国際化の原動力、「一帯一路」構想を人民元国際化推進にいかに活用するかを議論した。経済参考報が伝えた。
中国人民銀行(中央銀行)ウルムチ中心支店の郭建偉支店長によると、インフラや市場メカニズムの整備は人民元国際化の主要な推進力となる。世界の産業には順次移転の傾向が現れており、産業移転とともに人民元国際化を推進するための有利な状況が形成されている。人民元は周辺諸国の隠れたアンカー通貨として、安定化装置の役割を果たすことができる。地域通貨の選択から言えば、人民元国際化はシルクロードに沿って前進する必要がある。中国輸出入への依存度が高い中央アジアは重要な地域となる。為替レートの仕組みの整備のほか、これらの国々の人民元需要を育む必要がある。
中国・アフリカ生産能力協力基金の韓紅梅董事長は、中国とアフリカの生産能力協力をきっかけに人民元国際化を推進するとの構想を紹介した。アフリカと中国の発展の道には多くの相似点がある。双方の生産能力協力は、中国の生産能力移転を受け入れるチャンスをアフリカに提供、雇用を大量に創出し、経済発展を促すことを可能とする。またアフリカは、巨大な人口ボーナスや急ピッチで成長する経済、急速に拡大する中間層などに恵まれる上、豊富な資源も中国の生産能力高度化に有利となる。最近の中米貿易摩擦を背景に、多くの中国企業家がアフリカでの工場建設や投資を考え始めている。アフリカの情報や電力エネルギー、日用雑貨などの業界は大きな市場を秘めており、アフリカの中国製品への需要は確かなものだ。こうした中、アフリカは人民元国際化を推進するための実験場所ともなり得る。またアフリカの厳しい為替統制は中国企業のリスクヘッジ需要にも合うものだ。将来は人民元の影響力を高め、アフリカ諸国との人民元建て取引を拡大し、人民元の海外清算とその保障の取り組みを強化し、リスクを防ぎ、人民元国際化を慎重に推進していく必要があるという。
中国人民大学国際通貨研究所の副所長で、四川省金融工作局の局長補佐である涂永紅氏は次のように認識した。「一帯一路」は人民元国際化の重要な突破口となるべきだ。人民元国際化でブレークスルーを果たすには、他国通貨と人民元の両替コストを引き下げ、人民元との直接両替を推進する必要がある。「一帯一路」沿線の多くの国がまだ人民元を使っていないのは、米ドルとユーロによる清算の施設がすでに強力なネットワークを構築し、米ドルとユーロへの依存を形成しているからだ。また、人民元が貿易商品、特に大口商品分野で価格決定権を持っていないことも人民元国際化の足かせとなる。中国は安定的な経済成長を続け、コア技術でブレークスルーを果たし、イノベーションで人民元の使用を推進する必要がある。
中国信達資産管理股份有限公司の庄恩岳副総裁によると、将来、中国と「一帯一路」沿線諸国の貿易規模が膨らみ、プロジェクト資金調達需要が高まり、人民元の使用範囲が広がるにつれ、、企業が人民元で国際貿易や投融資を行う動機はより高まることになる。それは人民元国際化という目標の実現に有利に働く。中国はすでに、「一帯一路」にサービスを提供する金融プラットフォームを構築している。今後は、さらに多層的なプラットフォームを整備し、「一帯一路」構想を長期的、安定的、持続可能なものにしなければならない。また複雑な国際環境に備え、多様なリスクを防止する必要もある。
当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。
推薦記事: