【新華社北京6月6日】「コア技術の開発力は、企業の競争さらには国際競争の成敗を決める」。ディスプレイ業界で20年余りの経験を持つ東旭集団の李兆廷董事長はそう実感している。小さな工場としてスタートした同社はまさに、コア技術の開発や産業の高度化を拠り所として、グローバル・バリューチェーン(国際的な価値連鎖)の中位・上位へと躍進してきた。2017年末までに同社の総資産額は2千億元(1元=約17円)にのぼり、年間売上高は383億5400万元にのぼった。経済参考報が伝えた。
李兆廷氏によると、技術や応用の刷新による産業の実力と発展の品質の向上は、中国ディスプレイ産業発展のカギとなっている。東旭は今後、先端ディスプレイ材料やグラフェンの応用・開発など、国産化・輸入代替の重要分野をめぐり、コア技術の難関攻略に取り組む。
国際大手はこれまで、ディスプレイのコア材料や重要設備を独占することで、巨額の利益を得てきた。関連データによると、中国の液晶ディスプレイ関連の輸入額は年間数千億元にのぼり、生産設備だけではなく、液晶パネルの生産に必要なガラス基板などの原材料も輸入に依存している。
輸入代替という喫緊の課題に対処するため、東旭をはじめとするイノベーション型企業は、ディスプレイ材料分野での取り組みを急ぎ、自主開発を通じ、独自の知的財産権を持つ中国初の液晶ガラス基板の生産を実現した。同社はさらに、カラーフィルターなどその他のコア材料へも取り組みを拡大し、外資系企業によって大きく制限されてきた中国の液晶パネル業界の現状を一変させた。
東旭集団はすでに、中国首位・世界4位のハイエンドディスプレイ材料サプライヤー、全世代液晶ガラス基板生産ラインを持つ中国唯一の企業になった。年産能力は4千万平方メートル、国産化率は25%に達し、国家級実験室も備え、特許出願数は2300件強となった。
李兆廷氏によると、新型ディスプレイの国産化の道のりは、中国企業はコア技術や主要部品、原材料を掌握して初めて、受動的な局面を脱出できることを示している。中国のディスプレイ産業の川下には強固な産業基盤が整っており、グローバル・バリューチェーンの中位・上位への躍進は、産業発展の必然的な道となる。そのためには独自のコア技術やカギとなる材料・部品を有する川上企業を多く育て、自国の強みを生かしながら新興産業の重要分野のブレークスルーを実現し、産業面での発言権を握る必要がある。
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