【新華社北京1月24日】安倍晋三首相は22日、国会で施政方針演説を行い、その中でで各政党に対し憲法改正についての具体案を示すよう要請。衆参両院の憲法審査会で改憲に関する議論を前進させたい考えを示した。
しかし、安倍首相の改憲への道は順風満帆とは言い難い。上海交通大学の王少普教授は「安倍氏の演説から、改憲の意思が明白でゆるぎないものであることは分かるが、自民党党首としての立場ではなく、日本政府首脳としての立場では、具体的な改憲日程まで提示することはできなかった。政府の職権を利用して政党の立場を主張というそしりを受けるからだ。また改憲については国内外から反対や疑問視をする声が根強く、現時点で改憲日程を提示する条件は整っていない」との見方を示した。
中国社会科学院日本研究所学者の呉懐中氏や孟明銘氏も、現在安倍首相の改憲推進は依然として不利な要素と不確定な条件に直面していると分析する。両氏は、与野党間、そして連立与党同士の間で、改憲の具体案で意見の相違があり、協議と調整には相当な時間が必要と語る。また、安倍氏の総理大臣としての任期は2021年までだが、時間的余裕はなく「一歩踏み間違えれば一巻の終わりとなる可能性がある」と述べ、2017年に安倍政権の支持率が乱高下したことも、政権基盤の不安定さの表れであり、世論調査でも選挙での自民党の勝利がそのまま安倍氏への信任につながるものではない、という結果が出たことを指摘した。両氏はさらに、日本国内の護憲勢力と民意の抵抗は依然として強く、半数以上の国民が改憲に賛同しないか反対しているとの見方を示した。
両氏によれば、特に注意すべきは「安倍式」改憲がこれまで一貫して自衛隊の「合法化」と国防の「正常化」を掲げてきたことであり、日本の再軍備と軍事復興を目指すことと密接に関係している。両氏は「日本の改憲が実現したら、国家戦略の方向性に変化が生じ、アジアの安全と安定化に対しても深刻な影響を与える。大きく注目する必要がある」と述べた。(記者/沈氷潔)
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