12日、石油タンカー「SANCHI」に対し、消火作業を行う上海海事局の救助船。
【新華社テヘラン1月23日】龐(ホウ)森駐イラン中国大使は、21日にテヘランで記者会見を行い、「SANCHI(サンチ)」号事故と救援状況について詳しく説明し、イラン国内でささやかれている虚偽の言論を正した。
龐大使は、「事故発生後、中国政府は事態を重く捉え、中国外交部はすぐに緊急対応体制を整えた。交通運輸部も専門チームを立ち上げ、国際条約に則り積極的に国際義務を果たすべく捜索・救命作業を行ってきた。中国海上捜索・救命センターでは、即座に救援に必要な人員を配備し、海事法執行船や専門的な救援船、海上警備船を率い、現場で捜索・救命に当たり、関連情報を日本や韓国の海上捜索・救命機関に通達した」と述べた。
龐大使によると、オイルタンカーに積まれていたコンデンセートが衝突後激しく燃え上がり、有毒ガスを大量に発生し、その上、天気や劣悪な海況から救援活動が困難に直面した。「しかし、中国側は依然救命を第一に考え7日から15日にかけ、中国内外の船舶と共に事故発生海域及び漂流予測海域に対し、24時間体制で多角的で大規模な捜索・救命活動を行い、捜索した海域面積は8800平方キロにも及んだ」という。
さらに、「中国の救援隊は大きな危険にさらされながら幾度も事故船舶に近づき、捜索・救命や消火作業を行い、船に乗り込み、沈没前に事故で犠牲になった2名の遺体と航海データ記録装置を回収した」とし、「中国側の救援活動は、全て公開され、透明性があり、開放的だ。中国海上捜索・救命センターは駐上海イラン総領事と随時連絡を取り合い、進展報告を行っている。駐中国イラン大使やイラン労働・社会福祉省長などの高官にも状況と計画を説明し、イラン側の専門家の意見を十分に取り入れている。中国側は、イランが派遣した救援人員にも積極的に協力し、専門的な救援船や設備を提供した。しかし、火の勢いがあまりにも凄まじく、現場にいたイラン側人員は最終的に乗船を諦めた」と説明した。
龐大使は記者からの、事故発生後にささやかれてきた不確かな情報やさまざまなうわさに関する質問に逐一回答し、事態を明確にした。
北京時間1月6日夜、東中国海から160カイリ(約300キロ)の海上でパナマ船籍のタンカー「SANCHI」号が中国香港船籍の貨物船「長峰水晶」が衝突事故を起こし、「SANCHI」号が炎上。14日昼、爆発により「SANCHI」が沈没し、イラン人30名とバングラデシュ人2名の計32名の船員が命を落とした。(記者/馬骁 穆東)
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