新華網ハルビン9月19日(記者/鄒大鵬、王建、楊思琪) 侵華日軍(中国侵略日本軍)731部隊罪証陳列館に、寒光を帯びた軍刀が静かに並んでいて、昔の惨たらしい歴史を証明している。
二年前、731部隊元隊員の大川福松氏が車椅子の上で、血まみれの軍刀を両手で侵華日軍731部隊罪証陳列館館長の金成民氏に渡した。
これは普通な日本軍刀ではない。70年以上前に、大川氏が731部隊における生体解剖実験で傑出した才能を持つため、日本細菌戦の元凶、731部隊隊長の石井四郎は自分の帯刀を褒賞として、大川氏に贈った。
8月14日に撮った侵華日軍731部隊罪証陳列館に出展されている軍刀。(撮影/新華社記者 楊思琪)
「大川福松氏と会ったのは前後4回で、10年もかかった。」2008年、金成民館長が日本へ731部隊元隊員に証拠を集めにいった。何度もコミュニケーションをした上で、やっと、大川氏は石井に「墓まで持っていく秘密」と命じられたことを、1人の中国人に話した。
1941年8月、早稲田大学で細菌学を勉強している大川氏は、旧日本陸軍に募集され、その後、軍医として731部隊に転職した。731部隊は「防疫・給水」の名を借りて、生体解剖と細菌戦を行う悪魔の軍隊だった。
入営した際、大川氏は軍隊のことがまだよく分からなくて、731部隊に入隊した最初も、人体解剖の命令執行を拒否した。
「最初の頃はね、人体実験をやらないと飯が食えなかったけど、命令だからさ、人はだんだん変わってきた。1日に1人か2人を解剖したけど、その後、1日に5人までになった。そうしないと、任務は達成にならないから。」
「涙が止まらない子供の前に慰安婦の死体を解剖したり、人をわざと寒い戸外に置いて、凍傷させてから、実験室まで連れて行って、実験をやったりして、731部隊の解剖で殺された『マルタ(maruta)』が数え切れなくて、ほとんどの時間、わしは解剖室で実験をやってたのだ。」
「マルタ」は人体実験材料として呼ばれた人間だ。日本語で、「丸太」は「皮を剥いだだけの材木」を意味する。軍国主義に毒された大川氏は次第に感情が麻痺してきた。彼の刀にとって、中国人や前ソ連人、朝鮮人がみな「マルタ」になった。731部隊で、少なくとも3000人が人体実験の被害者として殺害された。
金成民館長の話によると、大川福松などの加害者の証言に直面して、日本右翼が侵略の歴史を否定・美化した言論は戦わずして破れ去るのだ。
2007年4月、大川福松氏は証人として、日本の大阪で開かれた「戦争と医学倫理」国際シンポジウムに参加し、731部隊の反人類的犯罪を告発した。
大川福松氏との付き合いが次第に増え、金成民館長は何度も大川氏の家へ証拠を集めにいった。話し合いの中で、大川氏は、自分が石井四郎からもらった軍刀を持っていることを金館長に教えた。
資料写真
2015年の冬、大川氏は歴史の証拠としたこの軍刀を、中国の侵華日軍第731部隊罪証陳列館に贈与した。
(新華社より)
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