長期計画と戦略が不足
藤野正和氏は、待機児童問題が深刻化するのは、日本の各行政部門の重視が足りず、政策制定を先延ばししているためだと見ている。各部門は具体的措置に少し手を加えており、一時しのぎの対策に過ぎず、長期的な計画と戦略が欠けているという。
保育士不足を例に挙げると、一般的に3歳以上の児童20人または2歳以下の児童6人に保育士が1人必要だが、人手不足により多くの保育所はこのような人員配分ができていない。一部の新設の保育所では保育士が見つからず、人員を減らして運営せざるを得ない状況である。
日本には保育士資格を持つが保育士をしていない人は70万人以上いる。ここから、日本には保育士がいないのではなく、保育士になる人材を引き付ける政策が欠けていることがわかる。
近年、十分な財政資金が拠出できない中、日本政府は待機児童問題を緩和するため、私立の保育園の設立を奨励する措置を打ち出した。しかし、用地の審査 認可、保育士の配備、保育の質の監督などを行う人員が関係部門におらず、私立の保育園が設立 管理できないという状況で、待機児童問題の解決を促すことは難しい。
「子育て安心プラン」によると、日本政府は2018年から3年間で22万人の保育士を増やす計画。また、子育て中の女性の雇用増加を検討しており、2020年までにさらに10万人の保育士を増やすという。
これについて陳世華氏は、同プランを実現させるには日本政府が総合的な政策リストと必要な予算を作る必要があるとの見解を示した。しかし、各種の社会福祉は深刻な赤字を招いており、日本政府が待機児童問題の解決にどれほど拠出できるかはわからない。
藤野正和氏は、「日本の与野党は選挙で待機児童の早期解消を掲げて票集めをしているが、待機児童、児童の貧困、少子化などの問題を国の運命にかかわる大問題と考える政党はない。この状況が根本から変わらなければ、待機児童ゼロの実現は再び先送りされる」との見解を示した。
(チャイナネット)
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