中国政府は中央政府・地方政府ともに、財政・税収・特別事業資金配分などの面で政策支援を強化し、第一次・二次・三次産業の融合的発展を一段と加速させる考えだ。また、戦略的新興産業が全面的に範囲を拡大し、創新創業の機運が浸透するのに伴い、第一次・二次・ 三次産業の融合的発展は新たなチャンスを迎えようとしている。それはまた市場の新たな活力を喚起し、発展の新たな原動力を育成するうえで大きな役割を果たす見通しだ。
中国農業部はこのほど、関連部門と共に政策支援を強化し、農業の供給側構造改革の指導に注力する方針を示した。財政・税収政策の方面では、新型農業経営主体による農産物流通加工業務の発展、直納直販、レジャー農業、農業の社会福祉事業などを支援し、各種の新型農業経営主体の融合と相互作用を促進、農村の第一次・二次・三次産業の融合的発展を目指す。
先ごろ、2017年の全国農業発展計画と調整計画が相次いで打ち出され、第一次・二次・三次産業の融合プロジェクトが国家の重点支援農業プロジェクトとなり、相当な額の補助金枠が設けられた。例えば、◇農村第一次・二次・三次産業融合的発展試験プロジェクトは200～300万元の補助金、◇低温物流プロジェクトは200～1000万元の補助金、◇農産物流通システム構築プロジェクトは投資額の30～50％の補助金が、それぞれ申請可能となる。
事実、中央政府はこれまでにも3つの産業融合に対して、複数回に渡って巨額の資金支援を行ってきた。2016年は中央財政から12億元が拠出され、全国から選ばれた12の省 自治区で、農村第一次・二次・三次産業融合的発展試験プロジェクトが実施された。農業総合開発については、融資の助成金、財政補助などを通じて、大手企業へ中央財政から約36億元を支援、特色ある産業の産業チェーン全体の開発を推進し、第一次・二次・三次産業融合的発展の基盤を築いた。国家発展改革委員会（発改委）は特別事業建設基金の枠内で農村の産業融合的発展項目を特別に設け、2016年末までに累計460億元以上の建設資金を配分、4000億元以上の社会投資を喚起した。
地方政府も多くが第一次・二次・三次産業の融合推進に向け、資金や政策支援を実施している。重慶市は先般、市の財政から7000万元を拠出し、第一次・二次・三次産業の融合的発展が良好に進んでいる55の郷 鎮に奨励金を交付した。
戦略的新興産業の全面的な範囲拡大が第一次・二次・三次産業の融合的発展に新たなチャンスをもたらした。
中国工業情報化部のシンクタンクCCIDの李芸銘 副主任は、「戦略的新興産業に代表される技術革新には強い融合浸透作用がある」と指摘する。「現在の新たな科学技術革命の下で、第一次・二次・三次産業の融合的発展は日増しに勢いを増している。農業では、サプライチェーンのリアルタイム管理、低温物流などの新業態が頭角を現し始めた」と語る。
第一次・二次・三次産業の融合が創新創業や農民の農業収入増加に対して果たす役割は、日増しに鮮明となっている。国務院は「創新駆動型発展戦略の強化による大衆創業 万衆創新の発展推進に関する意見」で、創新創業と実体経済の結合を堅持し、第一次・二次・三次産業の相互の浸透を目指すと提起した。
（チャイナネット）
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