国連アジア太平洋経済社会委員会(ESCAP)はタイ・バンコク本部で1日、年間重要報告書「アジア太平洋地域経済・社会調査」を発表した。同報告書は「世界の不確定性と保護貿易主義の広がりと比べると、同地域各国の2017年の経済成長は目覚ましいが、効果的なガバナンスを強化し財政管理を改善することが、経済成長にとって極めて重要だ」と強調した。同報告書の要旨は下記の通り。
同地域の発展途上国の2017−18年の成長率は5%もしくは5.1%に達し、昨年の4.9%という平均水準を上回る。中国とインドは依然として、地域経済成長の「リーダー」だ。
中国経済は2017年に安定運行し、高付加価値産業が過剰生産能力部門に代わりつつあり、生産と雇用を拡大している。その一方で政府がデレバレッジ、債務処理により、中期的な産出拡大を促していることから、経済成長率が鈍化を続ける。国内総生産(GDP)成長率は、昨年の6.7%から6.5%に低下する。国内の消費及びインフラ整備による支出が拡大を続けるに伴い、インドの今年の経済成長率は7.1%に達する見通し。さらに今年の国際原油高の影響を受け、ロシアの経済成長率は昨年のマイナス0.2%から1.1%に上昇する見通しだ。
同地域の経済成長は依然として、保護主義と世界の不確定性によるリスクに直面している。これらの要素が悪化すれば、地域の2017年の平均成長率は1.2ポイント低下する。
ESCAPのアクタール事務局長は「国際市場の需要の疲弊が続き、保護貿易主義が広がりを見せるなか、アジア太平洋地域の経済は安定とゆるやかな成長の流れを示している。今後も持続的で力強い経済成長を実現するためには、地域各国が生産力を拡大し、さらに政府・民間部門のより効率的な機構を設立し、ガバナンス方法を改善する必要がある。また政治家は社会・環境などの課題に積極的に対応することで、経済成長の質を高める必要がある」と指摘した。
(チャイナネット)
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