食物科学と料理技術が融合した「分子ガストロミー」に基づく革新型レストランが、日本の消費者の間で評判になっている。中国中央テレビ網が伝えた。
「見た目と内容が違う」―これが、分子ガストロミーの最も代表的なコンセプトだ。例えば、「温泉卵」という料理名にもかかわらず、使っている食材は豆腐とカボチャ。また、灰皿の上の葉巻たばこは、実はジャガイモとベーコンで作られており、吸い殻はゴマとハト麦の実で作られた「灰モドキ」、さらには燻して「煙」まで演出。見分けつかないほど本物そっくりのできばえだ。
このように、見た目が素晴らしく、味も良い分子ガストロミーは日本で人気急上昇しており、その名を慕う多くのグルメ客を引き寄せている。
分子ガストロミーは、健康栄養を重視している。その代表的な調理法が低温加熱調理法だ。この種の調理では、特別な装置を使って食材に含まれるタンパク質の変性温度を算出し、タンパク質が破壊されない温度でじっくりと加熱。こうすると、最高にソフトな口当たりと豊かな栄養成分を得ることができる。
健康的な飲食というコンセプトが普及するにつれて、家庭料理に対する人々の栄養面での要求も高くなる一方、市場には低温調理をセールスポイントとした小型調理家電も登場し始めた。値段は決して安くはないが、購入者は後を絶たない。
日本の関連機関の統計データによると、2016年、日本飲食業の売上高は前年比2.8%増、うち高級レストランの売上高は同4.3%増、日本の庶民の飲食消費支出は増加傾向にある。外食の回数が増えるにつれて、分子ガストロミーを代表とする革新型レストランの人気が高まっており、美食を堪能できる飲食の娯楽化が時代の流れとなりつつある。家庭料理については、自らの手でヘルシーな食べ物を作ることと食事のバランスが重視される一方、外食では目新しさとユニークさが追求されるようになった。分子ガストロミーという調理コンセプトは、日本人のこのような新たな消費傾向にぴったりマッチする概念といえよう。
(人民網日本語版)
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