習近平主席とトランプ米大統領は6日と7日の両日、フロリダ州で首脳会談を行いました。会談後、王毅外相がメディアに対しその成果を発表しました。
王外相は、「この会談は米新政権発足後、両国首脳による初の一対一の交流である。両首脳は7時間を超える交流を行い、中米関係と、共に関心を寄せる国際問題と地域問題をめぐって意見を交わし、多くの共通認識に達した。この会談は前向きで成果のあるものだったと言える。会談は中米関係の発展のために建設的な基礎を築き、努力の方向を示した」と表しました。
会談で中米関係を取り上げた際、習主席は、「良好な両国関係は、両国と国民だけでなく世界にとっても利益になる。協力こそが、両国にとって唯一の正しい選択だ」と強調しました。対するトランプ大統領は、「米中両国は共に大国として大きな責任を担っている。双方が重要問題について交流を維持することで、偉大な事業が完成されるだろう」と示しました。双方は今回の会談で、外交安全対話、全面的な経済対話、法執行およびサイバーセキュリティ対話、社会・人文対話という4つのハイレベル対話メカニズムの構築を発表しました。
また、両国は経済貿易の問題についても討議しました。中国側は、「中米の経済貿易関係の本質は互恵共栄であり、互いに相手国にとって第1の貿易パートナー国となっている。これにより、両国民は多大な利益を得ている。中米の経済貿易関係における問題については、平等互恵の原則を堅持して取り組まなければならない。エネルギーとインフラ施設の建設分野における実務協力を拡大し、互いに市場を開放して、両国の経済貿易のバランスのとれた発展を後押しすべきだ」と強調しました。さらに双方は、貿易・投資分野において協力を深めるとともに貿易摩擦を適切に解決し、互恵の成果を収めることで合意しました。
双方は軍事面での交流や、法執行、サイバーセキュリティ、汚職に関わる容疑者の送還や横領品の回収、不法移民、保健などの分野での協力を強化することで一致しました。また、中米間の人的交流と文化交流、国民の往来を拡大し、中米関係の社会的基盤を絶えず固めることで合意しました。
双方はさらに、共に努力し、互恵協力分野を拡大すると同時に、意見の違いには相互尊重を前提に対応していくことで合意しました。中国側はアメリカに対して台湾問題やチベット問題における原則的立場を改めて強調した上で、これら問題を中米の3つの共同コミュニケと「一つの中国」の政策に基づいて適切に対処し、中米関係にマイナスの影響をもたらさぬよう求めました。また、南海問題における中国側の原則的立場を強調しました。
会談ではその他の重要な国際問題や地域問題についても意見交換が行われました。朝鮮の核問題については、中国側は半島の非核化や平和と安定の維持、および話し合いによる問題解決を繰り返し強調するとともに、引き続き朝鮮の核問題に関する国連安保理の決議を全面的に実施する意向を示しました。さらに、アメリカの韓国への新型迎撃ミサイルシステム「THAAD」の配備に反対することを改めて強調しました。
その上で双方は、朝鮮半島の非核化実現に向けて、密接なコミュニケーションと協調を保つことで一致するとともに、核拡散防止や越境犯罪取締などグローバルな問題における協力を拡大していくことで見解が一致しました。
なお、習主席の要請に応じて、トランプ大統領は年内に中国訪問を行うことになりました。
(中国国際放送局)
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