水がテーブルにこぼれた場合、スポンジで吸い取ることができるが、石油が海洋に流出した場合はどうだろうか。中国科学技術大学化学・材料科学学院の兪書宏教授が率いるチームは、その場で加熱し、油と水を分離する機能を持つグラフェンスポンジを開発した。このスポンジは高粘度油膜をスムーズに吸収できる。3日発行の「ネイチャーナノテクノロジー」はトップでこの成果を伝えた。科技日報が伝えた。
同チームは遠心補助浸漬被覆技術を用い、一般的なスポンジの表面をグラフェンで均等にコーティングした。こうして出来上がったグラフェンスポンジは導電性を持ち、さらに水を吸収せず油のみを吸収するという特徴を持つ。研究により、グラフェンスポンジに電圧をかけることでジュール熱が生じ、石油の粘度が急速に下がることでそのグラフェンスポンジ内での拡散が強化され、高粘度石油の吸収が大幅に加速することが分かった。
電力の利用率を高めるため、チームは加熱エリアをグラフェンスポンジの底部に制限した。こうすれば最上層のスポンジと油膜は断熱層としての役割を発揮し、熱の大気中と水への拡散を抑え、石油への熱伝導率を高める。これにより電力消費量が65.6%、グラフェン使用量が50%減少し、油を吸収する時間も常温のグラフェンスポンジの5.4%のみに短縮された。
(人民網日本語版)
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