近年、急成長を続けている中国の宅配便市場。統計によると6年連続で50%増という高い伸びを維持している。取扱量は2016年に300億個の大台を突破、前年比で100億個の増加と、世界首位の座を維持した。
中国では2009年に『中華人民共和国郵政法』が発表され、宅配便業界の法的地位が確立したが、この中で示された「競争の奨励、発展の促進」という原則が宅配便業界の成長を著しく押し上げるきっかけとなった。さらにEC(電子商取引)の急速な拡大によって成長に拍車がかかり、2011~15年の第12次五カ年計画期間に黄金期を迎えるに至った。金融危機後、経済全体が低迷する中でも成長の勢いが衰えることはなかった宅配便業界は、まさに中国経済のダークホース的な存在といえよう。
国の政策的な支援を背景に、宅配便市場は新たな成長時代を迎えている。統計によると、中国の宅配便市場は6年連続で50%増という高い伸びを維持するなど、急成長を続けている。2006~2016年の間に取扱量は31倍増加、売上高は13.7倍増加した。世界市場の取扱量は年間約700億個、うち中国市場が300億個を占め、中国は今や世界最大の市場となっている。
宅配便市場の拡大は経済成長を押し上げる重要な要因となっているが、特に雇用創出効果が大きいと期待される。2015年の宅配便取扱量は207億個に上り、203万人の雇用を生み出した。この業界には集荷配送を行うドライバーや仕分け作業員など様々な職種がある。
2016年には取扱量が300億個を上回ったのに伴い雇用も拡大、就業者数は1日あたり延べ2.5億人と、売上高4兆元超に上るネット通販を裏で支えている。社会消費財小売総額全体の12.5%を占め、新規就業者数は20万人以上にも上った。2016年の全国の農村部における宅配便の取扱量は80億個、ネット販売による農作物の売上高は1000億元に上った。こうしたことからも、宅配便市場の拡大は経済成長の押し上げ効果が極めて大きく、雇用促進につながることがうかがえる。
(チャイナネット)
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