中国でも春節(旧正月、今年は1月28日)に紅包(お年玉)を配るのが伝統だ。今では、微信(Wechat)の電子決済を使ってお年玉を配るサービス「微信紅包」が登場し、自分の友人複数を一つのチャットグループに集めて一定額をそこに投入し、それを友人たち同士で取り合いをするというのが人気になっている。その取り合いに、大人から子供までが夢中になり、高齢者までもが参戦するようになっている。中国経済網が報じた。
李さんも今年の春節に、いろんなチャットグループで紅包をゲットした。ところが、ある同級生が投入した緑色の「紅包」には肩透かしを食らった。それをクリックすると、中身は空っぽだったどころか、逆に紅包を相手にあげなければならない仕組みだったのだ。
どさくさに紛れて割り勘請求
大晦日だった1月27日夜、李さんは家族と一緒に団圓飯(大晦日に家族で食べる年越し料理)を食べ終わると、スマホを片手に微信を使い、チャットグループで紅包の取り合いを始めた。しばらくすると、100元(約1650円)ほど溜まり、正月を祝う意味を込めて、今度は自分がそれを惜しむこともなくチャットグループに投入した。
年越しとなる12時近くになり、学生時代の友人たちのチャットグループでの紅包の取り合いは最高潮に達し、いつ紅包が投入されたとしても、それをゲットできるように、李さんはスマホ画面をいつでもタップできる状態にしていた。
すると、画面に突然、緑色の紅包が現れ、反射的にそれをタップした。すると、「紅包」は空っぽで、よく見るとなんと相手に10元(約165円)をあげなければならなかった。驚いて調べてみると、それは微信の「割り勘」機能だった。
では、「割り勘」機能の用途は何なのだろう?微信は同機能について、「強制的に割り勘にすることができ、連絡先に入っていれば誰にでも、指定の金額を払うよう催促できる」と説明している。
実際には、昨年10月のアップデートで微信に「割り勘」の機能が追加された。普通の紅包と見分けやすいように、割り勘請求は緑色で行われる。
どさくさに紛れた割り勘請求に賛否両論
李さんは、「すぐにそれをタップしてしまったから、相手にお金をあげることになった。でも、相手は遊び心でしているだけと思うから、特に気にはしていない」と話す。それでも、チャットグループの中では、「紅包に割り勘請求を混ぜるなんて、やり方がきたない」との声も上がっていたという。
そこで、記者が市民10人を取材してみると、ほとんどが「そのようないたずらは、気にしていない」と答えた。
市民の冉さんは、「どさくさにまぎれて『割り勘請求』をされたことはないが、紅包を送ってきたかのように見えるスタンプはたくさんあり、全く気にしない」と話した。
また、別の市民の蒋さんは、「微信のチャットグループではよく紅包の話題で盛り上がる。紅包一つでみんなが盛り上がるのだから、そのようないたずらも悪いとは限らない」と話した。
(人民網日本語版)
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