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日本の天皇家の日常 大忙しの毎日
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-01-09 15:42:07 | チャイナネット | 編集: 吴寒冰

蒋豊

 普通の日本人にとって、古から続く皇室は神秘的な存在である。しかしこの数年、皇室も徐々に開放的になってきた。特に明仁天皇が昨年8月に「生前退位」の強い意向を示すおことば(ビデオ)を発表して以来、皇室は人々の注目を集めている。日本の皇室はどんな仕事をし、どんな日常を送っているのだろうか。

忙しすぎる毎日

 日本では、天皇も出勤する。毎朝9時半、「御用車」が天皇の住む赤坂御所に迎えにやって来る。その後、皇居にある天皇執務室「菊の間」まで天皇を送る。天皇はそこで様々な書類に目を通す。サインが必要な書類には、天皇自ら「明仁」の2文字を書く。天皇の認証が必要なときは、「認」という印鑑を押す。天皇が採決した書類は「可」の印鑑を押す。天皇が確認した書類には「覧」の印鑑を押す。「御璽」や「国璽」を押す必要がある場合は、侍従が隣の部屋で押す。なぜならそれぞれ3.5キロもあるからだ。

 毎週火曜日と金曜日は内閣会議を行う日である。会議が終わると、閣議書類が送られてくる。そのためこの2日間が天皇にとって最も忙しい日になる。毎日の正午12時、天皇は赤坂御所に戻り食事をする。そこから2時までが休憩時間だ。その後はまた公務に戻る。時間までに終わらなかった仕事は、赤坂御所に持ち帰って“残業”する。統計によると、天皇は年間平均1200件の書類にサインし、200人と会見する。宮内庁の統計によると、明仁天皇の会見公務は天皇の仕事全体の47%を占める。

 訪問と祭祀も明仁天皇の仕事である。宮内庁によると、父親の裕仁天皇と比べて明仁天皇の仕事量はかなり増えている。外国の政治家や大使と会見する回数は裕仁天皇の1.6倍、赴任した大使や帰国する大使との会見は裕仁天皇の4.6倍、東京と地方での活動参加回数は2.3倍になっている。

財テクで家計を助けたことも

 著名な記者である森暢平氏は著書『天皇家の財布』は、日本の皇室の豪華な生活を明らかにしている。本書によると、皇室関連の予算は主に「宮内庁費」と「皇室費」に分けられる。皇室費には「内廷費(天皇、皇后、皇太子一家の生活費)」、「宮廷費(公務活動費)」、「皇族費(その他皇族の生活費)」がある。2013年の内廷費は2億2400万円で、天皇の次男である秋篠宮一家5人の皇族費は6100万円。これは内廷費の5分の1にあたる。

概算すると、現在の天皇の“年収”は9000万円前後で、皇太子の“年収”は3000万円前後となる。しかし皇居の出費はただ事ではない。皇居内のテレビだけでも1200台ある。毎月の有線テレビ費用の支払いは200万円に達する。そのため皇室も“財テク”をしている。昭和天皇はかつて株を買ったことがあり、それが皇室の一大ニュースとなった。しかし天皇は「内廷会計主管」名義で株を買っており、名前が表に出ることはなかった。株による収入は納税が必要となる。昭和天皇の崩御後、明仁天皇は4億2800万円の相続税を納めている。それだけでなく、明仁天皇と美智子皇后、徳仁皇太子、雅子妃はそれぞれ、皇居のある千代田区と東宮御所のある港区に住民税を納めている。

中華弁当が好き

 『天皇家の財布』によると、皇室のスタッフは非常に多く、1000人を超える。24名の楽団、30名の庭師、25名のコック、78名の維持管理スタッフなどだ。天皇1人に対し、4名の24時間対応医師、5名の着替え担当員、11名の神道儀式準備スタッフがいる。皇室の生活はしきたりが多いため、天皇夫妻の住む皇居には160名の召使がいる。一言でいうと「テーブルを拭く担当は床を拭く担当を兼ねることはできない」のだ。

 天皇の食事は宮内庁大膳課の主膳とコック長が担当する。これらの人は宮内庁で雇われた国家公務員である。現在、天皇には26名のコックがおり、11人で1日の食事を担当する。11人は西洋料理を担当し、他に2名がデザートとパンを担当する。天皇には専属の中華料理コックがいないため、中華料理を食べる際には皇居の外にある民間のレストランのコックが提供する。面白いことに、明仁天皇は「中華弁当」が大好きだという。記者の知る在日中国人のコックはよく皇居から注文が来るそうで、直接天皇に「中華弁当」を届けているという。

 また皇居には22万ドルかけて作られた酒蔵があり、4500本以上の名酒が保存されている。さらに252ヘクタールの農場も所有しており、新鮮な牛乳や肉、野菜が届けられる。農場を維持するため、毎年500万ドルを費やしているという。『天皇家の財布』によると、皇居で自社の用品や食品が使われるのは名誉なことであり、そのため皇居で使用される高級食材は無料で買うことができるのだという。一部の一般市民も一定の時間、貢献のために皇居で体を動かす。庭の手入れをしたり草むしりをしたりするのだ。2人の一般市民が戦後に始めた「皇室労働貢献活動」は、いまでは毎月60人の労働チームとなっている。申し込みもかなり活発だという。というもの、労働が終わると天皇と皇后が自ら人々に感謝するため、天皇見たさに参加しているのである。

 

(チャイナネット)

 

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新華網日本語

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新華網日本語 2017-01-09 15:42:07

蒋豊

 普通の日本人にとって、古から続く皇室は神秘的な存在である。しかしこの数年、皇室も徐々に開放的になってきた。特に明仁天皇が昨年8月に「生前退位」の強い意向を示すおことば(ビデオ)を発表して以来、皇室は人々の注目を集めている。日本の皇室はどんな仕事をし、どんな日常を送っているのだろうか。

忙しすぎる毎日

 日本では、天皇も出勤する。毎朝9時半、「御用車」が天皇の住む赤坂御所に迎えにやって来る。その後、皇居にある天皇執務室「菊の間」まで天皇を送る。天皇はそこで様々な書類に目を通す。サインが必要な書類には、天皇自ら「明仁」の2文字を書く。天皇の認証が必要なときは、「認」という印鑑を押す。天皇が採決した書類は「可」の印鑑を押す。天皇が確認した書類には「覧」の印鑑を押す。「御璽」や「国璽」を押す必要がある場合は、侍従が隣の部屋で押す。なぜならそれぞれ3.5キロもあるからだ。

 毎週火曜日と金曜日は内閣会議を行う日である。会議が終わると、閣議書類が送られてくる。そのためこの2日間が天皇にとって最も忙しい日になる。毎日の正午12時、天皇は赤坂御所に戻り食事をする。そこから2時までが休憩時間だ。その後はまた公務に戻る。時間までに終わらなかった仕事は、赤坂御所に持ち帰って“残業”する。統計によると、天皇は年間平均1200件の書類にサインし、200人と会見する。宮内庁の統計によると、明仁天皇の会見公務は天皇の仕事全体の47%を占める。

 訪問と祭祀も明仁天皇の仕事である。宮内庁によると、父親の裕仁天皇と比べて明仁天皇の仕事量はかなり増えている。外国の政治家や大使と会見する回数は裕仁天皇の1.6倍、赴任した大使や帰国する大使との会見は裕仁天皇の4.6倍、東京と地方での活動参加回数は2.3倍になっている。

財テクで家計を助けたことも

 著名な記者である森暢平氏は著書『天皇家の財布』は、日本の皇室の豪華な生活を明らかにしている。本書によると、皇室関連の予算は主に「宮内庁費」と「皇室費」に分けられる。皇室費には「内廷費(天皇、皇后、皇太子一家の生活費)」、「宮廷費(公務活動費)」、「皇族費(その他皇族の生活費)」がある。2013年の内廷費は2億2400万円で、天皇の次男である秋篠宮一家5人の皇族費は6100万円。これは内廷費の5分の1にあたる。

概算すると、現在の天皇の“年収”は9000万円前後で、皇太子の“年収”は3000万円前後となる。しかし皇居の出費はただ事ではない。皇居内のテレビだけでも1200台ある。毎月の有線テレビ費用の支払いは200万円に達する。そのため皇室も“財テク”をしている。昭和天皇はかつて株を買ったことがあり、それが皇室の一大ニュースとなった。しかし天皇は「内廷会計主管」名義で株を買っており、名前が表に出ることはなかった。株による収入は納税が必要となる。昭和天皇の崩御後、明仁天皇は4億2800万円の相続税を納めている。それだけでなく、明仁天皇と美智子皇后、徳仁皇太子、雅子妃はそれぞれ、皇居のある千代田区と東宮御所のある港区に住民税を納めている。

中華弁当が好き

 『天皇家の財布』によると、皇室のスタッフは非常に多く、1000人を超える。24名の楽団、30名の庭師、25名のコック、78名の維持管理スタッフなどだ。天皇1人に対し、4名の24時間対応医師、5名の着替え担当員、11名の神道儀式準備スタッフがいる。皇室の生活はしきたりが多いため、天皇夫妻の住む皇居には160名の召使がいる。一言でいうと「テーブルを拭く担当は床を拭く担当を兼ねることはできない」のだ。

 天皇の食事は宮内庁大膳課の主膳とコック長が担当する。これらの人は宮内庁で雇われた国家公務員である。現在、天皇には26名のコックがおり、11人で1日の食事を担当する。11人は西洋料理を担当し、他に2名がデザートとパンを担当する。天皇には専属の中華料理コックがいないため、中華料理を食べる際には皇居の外にある民間のレストランのコックが提供する。面白いことに、明仁天皇は「中華弁当」が大好きだという。記者の知る在日中国人のコックはよく皇居から注文が来るそうで、直接天皇に「中華弁当」を届けているという。

 また皇居には22万ドルかけて作られた酒蔵があり、4500本以上の名酒が保存されている。さらに252ヘクタールの農場も所有しており、新鮮な牛乳や肉、野菜が届けられる。農場を維持するため、毎年500万ドルを費やしているという。『天皇家の財布』によると、皇居で自社の用品や食品が使われるのは名誉なことであり、そのため皇居で使用される高級食材は無料で買うことができるのだという。一部の一般市民も一定の時間、貢献のために皇居で体を動かす。庭の手入れをしたり草むしりをしたりするのだ。2人の一般市民が戦後に始めた「皇室労働貢献活動」は、いまでは毎月60人の労働チームとなっている。申し込みもかなり活発だという。というもの、労働が終わると天皇と皇后が自ら人々に感謝するため、天皇見たさに参加しているのである。

 

(チャイナネット)

 

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