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トランプ時代、試練を迎える日米同盟
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2017-01-05 08:36:05 | チャイナネット | 編集: 王珊寧

  米大統領選で、トランプ氏が次期大統領に選ばれた。この結果は多くの米国メディアの予想外であり、遠く離れた東洋の日本をも驚かせた。日本メディアは選挙前、ヒラリー氏を有力視していた。安倍政権内でも、トランプ氏の勝利に対する備えが不足していたようだ。トランプ氏の当選前後、安倍政権は衆議院で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連法案を強行可決した。しかしトランプ氏は当選後、TPP離脱を再度表明した。これは安倍政権のTPPをめぐる一方的な努力が水の泡になったことを宣言した。安倍首相がTPP問題で敗北したのは、多くの政治家と同じくトランプ氏の当選の可能性を考えていなかったからだ。そのため付け焼き刃のような慌てぶりが、トランプ時代の日本の対米政策の現状になった。

  国際関係の処理に当たり、予想外の出来事が生じるのは珍しくない。その際に、政権の柔軟な対応力が試される。トランプ氏が間もなく就任という問題に対する、安倍政権の反応は遅くない。安倍首相は11月17日に訪米し、トランプ氏と会談した。これにより米大統領選後に、トランプ氏と初めて会談した外国人首脳になった。11月23日に安倍首相が帰国すると、内閣官房副長官にして安倍首相の腹心である萩生田光一氏は、得意気に「首相はおぼっちゃま育ちの割には不良と付き合うのが上手だ。荒っぽい政治家と堂々と 話すことができる。」と述べた。日本はこの訪問により、トランプ時代の日米関係の脈を取ったように見えるが、萩生田氏の「不良」という言葉は、日本のトランプ氏への認識不足を露呈しているようだ。

  萩生田氏に「不良」と呼ばれた外国首脳には、他にもロシアのプーチン大統領がいる。日本にとって、プーチン大統領とトランプ氏の間には、西側の伝統的な価値観に背くという重要な共通点がある。これは萩生田氏が「不良」と呼んだ理由でもある。しかしトランプ氏とプーチン大統領を同類にし、同じ見方で両氏を認識するならば、あたかも顔だけで人柄を判断するようなものであり、日本の戦略ミスを招く可能性もある。ロシアと米国内の伝統的な政治要素には、大きな差があるからだ。

  常識破りで知られるトランプ氏が正式に就任する前に、米国内でもその政策を正確に判断することは困難であり、外国ならばなおさらだ。日本はトランプ時代の対日政策について、よく理解しているような自信を示しているが、これは過度な思い込みだろう。トランプ時代の米国の外交政策は、その不確定性が最大の特徴になりそうだ。日米同盟の特殊な関係により、両国には多くの共通する利益がある。しかしこれを過信し、トランプ氏の「親しき仲にも礼儀あり」という経営者の天性を無視すれば、日本が一方的に「一枚岩」と考えている日米関係で予想外の状況を迎える可能性がある。親米路線を歩み南中国海などの問題で中国を挑発する日本は、いつの間にか孤立無援になっていることに気づくかもしれない。(作者李若愚氏は中国社会科学院日本研究所政治研究室の研究員)

 

  (チャイナネット)

 

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トランプ時代、試練を迎える日米同盟

新華網日本語 2017-01-05 08:36:05

  米大統領選で、トランプ氏が次期大統領に選ばれた。この結果は多くの米国メディアの予想外であり、遠く離れた東洋の日本をも驚かせた。日本メディアは選挙前、ヒラリー氏を有力視していた。安倍政権内でも、トランプ氏の勝利に対する備えが不足していたようだ。トランプ氏の当選前後、安倍政権は衆議院で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)関連法案を強行可決した。しかしトランプ氏は当選後、TPP離脱を再度表明した。これは安倍政権のTPPをめぐる一方的な努力が水の泡になったことを宣言した。安倍首相がTPP問題で敗北したのは、多くの政治家と同じくトランプ氏の当選の可能性を考えていなかったからだ。そのため付け焼き刃のような慌てぶりが、トランプ時代の日本の対米政策の現状になった。

  国際関係の処理に当たり、予想外の出来事が生じるのは珍しくない。その際に、政権の柔軟な対応力が試される。トランプ氏が間もなく就任という問題に対する、安倍政権の反応は遅くない。安倍首相は11月17日に訪米し、トランプ氏と会談した。これにより米大統領選後に、トランプ氏と初めて会談した外国人首脳になった。11月23日に安倍首相が帰国すると、内閣官房副長官にして安倍首相の腹心である萩生田光一氏は、得意気に「首相はおぼっちゃま育ちの割には不良と付き合うのが上手だ。荒っぽい政治家と堂々と 話すことができる。」と述べた。日本はこの訪問により、トランプ時代の日米関係の脈を取ったように見えるが、萩生田氏の「不良」という言葉は、日本のトランプ氏への認識不足を露呈しているようだ。

  萩生田氏に「不良」と呼ばれた外国首脳には、他にもロシアのプーチン大統領がいる。日本にとって、プーチン大統領とトランプ氏の間には、西側の伝統的な価値観に背くという重要な共通点がある。これは萩生田氏が「不良」と呼んだ理由でもある。しかしトランプ氏とプーチン大統領を同類にし、同じ見方で両氏を認識するならば、あたかも顔だけで人柄を判断するようなものであり、日本の戦略ミスを招く可能性もある。ロシアと米国内の伝統的な政治要素には、大きな差があるからだ。

  常識破りで知られるトランプ氏が正式に就任する前に、米国内でもその政策を正確に判断することは困難であり、外国ならばなおさらだ。日本はトランプ時代の対日政策について、よく理解しているような自信を示しているが、これは過度な思い込みだろう。トランプ時代の米国の外交政策は、その不確定性が最大の特徴になりそうだ。日米同盟の特殊な関係により、両国には多くの共通する利益がある。しかしこれを過信し、トランプ氏の「親しき仲にも礼儀あり」という経営者の天性を無視すれば、日本が一方的に「一枚岩」と考えている日米関係で予想外の状況を迎える可能性がある。親米路線を歩み南中国海などの問題で中国を挑発する日本は、いつの間にか孤立無援になっていることに気づくかもしれない。(作者李若愚氏は中国社会科学院日本研究所政治研究室の研究員)

 

  (チャイナネット)

 

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