「深港通」(深センと香港の株式取引の相互乗り入れ)が、5日に正式に導入された。香港証券取引所の李小加CEOは午前の記念式で、「新たな相互乗り入れ制度は、双方向の市場参入の新たな節目となった」と述べた。
香港紙・南華早報(電子版)の5日の記事によると、李CEOは「滬港通(上海と香港の株式取引の相互乗り入れ)が一歩目とするならば、深港通は二歩目だ。私たちは今や歩けるようになったが、今後はさらに走ることになる」と話した。
香港特別行政区の梁振英行政長官は「深港通により、海外投資家は深センの株投資が可能になる。また中国大陸部からの香港株の購入量が増える」と述べた。
「これにより香港は世界と中国大陸部を結ぶ、優れた仲介者としての役割を強化できる」
長期的な意義に期待
AFP通信は4日「中国の深セン市と香港の間で長く延期されてきた相互乗り入れが、5日に開始され、中国大陸部で保護されている株式市場に進出するための別の扉が開かれる。しかし中国の経済成長率が低下し、元安が生じており、さらに米国の利上げの観測が強まっていることから、アナリストは慎重な態度を維持するよう促している」と報じた。
これは2年前に始まる滬港通に似た相互乗り入れ制度で、中国が世界の投資家に向け資本市場を徐々に開放していることを証明する、最新の措置とされている。香港当局はこの「株式市場相互乗り入れ」は、香港という金融センターの人民元国際化への協力を促進すると称賛した。
深港通の導入後、中国企業の約800銘柄の購入が外国人に初めて認められる。
京華山一国際有限公司研究部主管の彭偉新氏は、「深港通はテクノロジー系企業への投資を目指してきた投資家にとって魅力的だ。中国は深センをテクノロジーセンターにしようと取り組んでおり、深セン証券取引所は米国のナスダックに匹敵する」と述べた。
しかし彭氏は、上場企業の規模が小さく、取引量が急増することはないと判断した。
極訊公司のアナリストであるパトリック・モール氏は「南下する投資家は、深セン 香港株式市場の相互乗り入れを、投資多様化のまたとない好機とするかもしれない」と語った。
同社アナリストのニール・マクレーン氏は「株式市場の相互乗り入れの長期的な意義を過小評価するべきではない。10年以上の長期を見据えれば、中国が世界のその他の市場に進出することができ、これがその実際の重要な意義となる。中国はなにも冗談で開放の扉を開くのではない」と補足した。
クレディ・スイス大中華圏担当副会長、証券事業主管の袁淑琴氏は「大量の資金が2つの市場に殺到することはないが、深港通は幸先良いスタートを切った」と述べた。
「取引量は今後増加する。最も重要なのは資金の流れではなく、この節目となる開放の措置が、海外投資家による中国新経済の購入をいかに認めるかだ」
日本経済新聞(電子版)は5日「証券各社が中国・深圳証券取引所の上場株の取り扱いを拡大する。12月5日に香港と深圳の取引所で売買注文を取り次ぐ相互取引が始まり、これまで原則として海外投資家が投資できなかった深圳A株を買えるようになるためだ。東洋証券や藍沢証券は5日から個人向けに取り扱いを開始、野村ホールディングスは機関投資家向けに取り扱いを始める」と報じた。
(チャイナネット)
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