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日本の「ネットカフェ難民」に聞いた職場での辛さ
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2016-12-13 13:54:16 | 人民網日本語版 | 編集: 薛天依

  夜11時、東京の京王百貨店の前で、ある中年女性が大きな声で笑ったかと思えば、今度は号泣していた。実は、この女性は変わり者ではなく、パフォーマンスをしているところだった。彼女の名前は安藤久美子(38)さんで、現在独身。スターになることを夢見ているという。その近くで、若くてかわいい女性2人が歌を歌っており、多くの男性たちが集まって聞き入っていたのに対し、久美子さんのパフォーマンスを見て、足を止める人は一人もいなかった。そんな様子を目にした私は、彼女を誘ってファーストフード店に行き、話を聞いた。久美子さんが手にしていたのはスーツケース1つだけで、これが彼女の全財産という。環球時報が報じた。

  既にアラフォーで、顔にはしわもあるものの、久美子さんは美しい女性だった。彼女は16年前、東京のある私立大学の英語学部を卒業し、厳しい面接を経て、ある商社に入社した。当時22歳だった久美子さんは若くて美しく、聡明で仕事もできたため、上司からすぐに「気に入られる」存在となった。しかし、上司の軽率な行動などに腹が立ってもそれを口に出すことはできず、ちょっとしたことで先輩たちを怒らせてしまうこともあったという。実は、それまで上司にちやほやされていた女性の先輩たちが、久美子さんが入社してからは「冷遇」されるようになったため、久美子さんに嫌がらせをしていたのだ。モラハラに加えてセクハラも受け、どうしていいか分からなくなった久美子さんは2年後にうつ病になり、仕事を辞めて、療養せざるをえなくなってしまったという。

  「その時から、私は人生のレールを踏み外してしまい、戻ることはできなくなってしまった」と久美子さん。療養中、久美子さんは貯金を使い果たし、再び仕事を探し始めた時になって初めて、働いていなかった期間が履歴書の「汚点」となることに気付いた。そして、これまでずっとアルバイトで食いつなぐしかなかったという。

  日本の総務省統計局が今年2月に発表した2015年の労働力調査の報告によると、同じ正規の職員 従業員でも、男性の場合、年収が500-700万円であるのに対して、女性は、200-300万円となっている。また、非正規の職員 従業員である女性の数は男性の2倍で、うち45%の年収が100万円以下となっている。特に独身の女性は、男性の支援がなく、3分の1が貧困の状態だ。

  コンビニのハンバーガーセットも、1日の食費がわずか500円の久美子さんにとっては、ぜいたくな食事。アルバイトであるため収入は安定せず、高い家賃を支払うことはできないため、新宿のネットカフェが彼女の「家」となっている。

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新華網日本語

日本の「ネットカフェ難民」に聞いた職場での辛さ

新華網日本語 2016-12-13 13:54:16

  夜11時、東京の京王百貨店の前で、ある中年女性が大きな声で笑ったかと思えば、今度は号泣していた。実は、この女性は変わり者ではなく、パフォーマンスをしているところだった。彼女の名前は安藤久美子(38)さんで、現在独身。スターになることを夢見ているという。その近くで、若くてかわいい女性2人が歌を歌っており、多くの男性たちが集まって聞き入っていたのに対し、久美子さんのパフォーマンスを見て、足を止める人は一人もいなかった。そんな様子を目にした私は、彼女を誘ってファーストフード店に行き、話を聞いた。久美子さんが手にしていたのはスーツケース1つだけで、これが彼女の全財産という。環球時報が報じた。

  既にアラフォーで、顔にはしわもあるものの、久美子さんは美しい女性だった。彼女は16年前、東京のある私立大学の英語学部を卒業し、厳しい面接を経て、ある商社に入社した。当時22歳だった久美子さんは若くて美しく、聡明で仕事もできたため、上司からすぐに「気に入られる」存在となった。しかし、上司の軽率な行動などに腹が立ってもそれを口に出すことはできず、ちょっとしたことで先輩たちを怒らせてしまうこともあったという。実は、それまで上司にちやほやされていた女性の先輩たちが、久美子さんが入社してからは「冷遇」されるようになったため、久美子さんに嫌がらせをしていたのだ。モラハラに加えてセクハラも受け、どうしていいか分からなくなった久美子さんは2年後にうつ病になり、仕事を辞めて、療養せざるをえなくなってしまったという。

  「その時から、私は人生のレールを踏み外してしまい、戻ることはできなくなってしまった」と久美子さん。療養中、久美子さんは貯金を使い果たし、再び仕事を探し始めた時になって初めて、働いていなかった期間が履歴書の「汚点」となることに気付いた。そして、これまでずっとアルバイトで食いつなぐしかなかったという。

  日本の総務省統計局が今年2月に発表した2015年の労働力調査の報告によると、同じ正規の職員 従業員でも、男性の場合、年収が500-700万円であるのに対して、女性は、200-300万円となっている。また、非正規の職員 従業員である女性の数は男性の2倍で、うち45%の年収が100万円以下となっている。特に独身の女性は、男性の支援がなく、3分の1が貧困の状態だ。

  コンビニのハンバーガーセットも、1日の食費がわずか500円の久美子さんにとっては、ぜいたくな食事。アルバイトであるため収入は安定せず、高い家賃を支払うことはできないため、新宿のネットカフェが彼女の「家」となっている。

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