12月11日、中国の世界貿易機関(WTO)加盟満15周年だ。「中国のWTO加盟議定書」第15条の規定によると、加盟15年後に他国は「非市場経済」を理由とし、国際価格基準により中国にダンピング行為があるかを確定することを停止しなければならない。しかし日本の経済産業省はこのほど、中国の市場経済地位を認めないとした。日本はさらにこれまでの基準に基づき、中国のダンピング行為を調査するとしている。
中国市場の経済地位の問題について、米国は妥協の兆しを見せていない。EUの態度は曖昧だ。日本がこの時期に先に飛び出し、EUと米国の先陣を切った。欧米日の二転三転する動きは、2つの傾向を示している。まず2017年より、世界の貿易保護主義の逆流がさらに激化する。次に中国をめぐる反ダンピング、補助金相殺関税、非関税障壁などの貿易保護措置がさらに猛威を振るう。
筆者の知る限り、EUの経営者を含む多くの外国企業は、中国経済の未来を非常に楽観している。中国経済は現在、毎年6%以上のペースで成長し、世界経済の伸び率の40%を占めている。ビジネス界はこれに驚き、満足している。EUの今後の発展は楽観できず、中国との協力拡大のみが活路となる。ドイツの多くの中型企業は、生産の半分を中国にシフトしようとしている。EUが中国市場の経済地位を認めなければ、歴史的な過ちを犯すことになる。
中国経済はすでに国際市場に浸透している。西側政治家が国内の失業率、産業の不況、経済回復の遅れを受け、地位を手にし票を集めるために中国に逆ねじを食わせ、イメージダウンを図ることが必然的だ。しかし外国企業はお構いなしで、中国企業も自信を持ち落ち着いている。事実は雄弁に勝る。企業の経営が強化されるほど、中国大陸部の外資誘致が活性化し、経済発展がより包括的かつ持続可能になる。これは中国が市場経済を歩む証左だ。
トランプ氏が来年就任した後、中国の貿易は最も困難な一年を迎えるかもしれない。ある国がWTOの規則を公然とかなぐり捨て、中国の商品に高い関税をかけ、さらに制裁を行うならば、中国も反撃の準備を整え、絶対に曖昧にしてはならない。貿易に関しては、中国の利益について少しも譲歩しない。必要な時には制裁リストを出し、中国企業の正当な権益を保障するべきだ。中国は貿易戦を望んでおらず、戦うことを余儀なくされている。(筆者:魏建国 中国国際経済交流センター副理事長、中国商務部元副部長)
(チャイナネット)
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