成都市在住の民堯さんはこのほど、「咸豊十年」の字が入った英語教材のコレクションを公開した。そこには「Tomorrow I give you answer」や「To do with my friend」などの間違った英文が書かれている。四川西部文献修復センターの専門家は、「印刷、字体、内容からこの教材は本物であり、清朝末期のものだと推測できる。しかし、実物を見ていないため、具体的な年代は判断できない」と分析。近代史を研究する専門家は、「漢字をふって英語の発音を学ぶという方法は近代でも多く行われている」と述べた。
1ページに12個の囲いがあり、それぞれの囲いの中は一番上が中国語、真ん中が英語、下が漢字で記した発音の仕方になっている。
言語学に精通する四川大学の雷漢卿教授は、「漢字で発音を記すという方法は正規でない教材に多い。先生はアクセントを教え、漢字は初心者のためにふられたものだ」と分析。
中西文化交流史を研究する孫広平博士は清朝末期の英語教科書の発展について、次のように解釈する。当時の英語教科書は3段階に分かれていた。芽生え段階は1807から1840年。この頃、中国の貿易港では貿易のニーズに応じるため、一部の中国人の間で学習教材の編纂が流行していた。これらの教材は英語の発音に中国語をふり、中国人が学びやすいようになっている。中には、現在見ると笑ってしまうようなものもある。