日本在住の中国人写真家 馮学敏氏の写真展「福建—烏龍茶の故郷と福清黄檗の印象」が12月6日から16日にかけて、東京の中国文化センターで開催される。馮学敏氏が撮影した福建省に関する写真62点が展示され、日本人に福建省の歴史、文化、風土、人情などを紹介する。
中国の南東沿岸部にある福建省は山が多く風景が美しく、長く伸びる海岸線に多くの港があり、昔から中国の特産品であるシルク、陶磁器、茶葉などをここから海外に輸送している。福建省泉州市は「一帯一路」の海上シルクロードの起点である。福建省は烏龍茶のふるさとで、白茶と紅茶の発祥の地でもあり、ここの烏龍茶と上質の鉄観音は国内外で高く評価されている。世界遺産の武夷山と福建土楼も福建省の有名な観光地である。
福建省と日本の友好交流の歴史は長い。明末清初には黄檗山萬福寺の禅宗僧 隠元隆琦が日本で黄檗宗を興した。隠元隆琦は仏教学だけでなく、最先端の文化や科学技術も日本に伝え、江戸時代の経済 社会の発展に大きな影響を与えた。また、福建省のインゲン豆、豆腐、ちゃんぽん、煎茶なども長崎に伝えた。長崎では現在もちゃんぽんや煎茶などが名物で、インゲン豆という呼び方も彼の名前が元になっている。