2016年G20杭州サミットのテーマは「革新（Innovative）、活力（Invigorated）、連動（Interconnected）、包括（Inclusive）の世界経済構築」で、キーワード4つの英語は頭文字が“I”となる。この「4I」のテーマは世界経済に新成長理念を強く呼びかけるだけでなく、中国が打ち出したイノベーション成長をはじめとする5大成長理念とも非常にマッチする。G20議長国として中国は、世界と成長経験を共有し、世界経済の持続可能な成長が実現することを期待している。
世界知的所有権機関（WIPO）、インシアード（INSEAD）、米コーネル大学が発表した2016年グローバル イノベーション インデックスによると、中国のイノベーション能力は前年の第29位から第25位に上がり、中所得国として初のトップ25にランクインされた。
ここ数年にわたり中国は対外開放と、世界との連動成長を推し進め、「一帯一路」の共同建設や国際生産能力の提携などの大きな提案を行ってきた。同時に中国政府は、かつて強みとなっていた分野の弱体化に対し、供給側構造改革の推進と産業の転換 高度化を加速。2015年の全国新規登記企業数は前年比21.6％増の443万9000社と、1日当たり1万2000社に上り、知的財産権の申請受理件数は初めて100万件を超え、科学技術進歩による経済成長への貢献率は55.1％に達した。
「4I」は中国が打ち出した5大成長理念を反映している。協力システムのなかで革新の理念を具体化するために、より開放的、包括的、自主的な協力の枠組みを構築。「一帯一路」は従来の閉鎖的な自由貿易区、共同市場、経済連盟などのシステムとは異なるもので、国際生産能力の提携も一方的な産業の移転ではなく、ネットワーク化の協力を図る。グローバルインフラの相互接続を進めることは風通しを良くすることが狙いで、世界経済の長期的な連動成長の実現を後押しする。
プラットフォームの構築では、包括と共有の理念を具体化するためにアジアインフラ投資銀行（AIIB）の設立を提唱。資金を集めて発展途上国と貧困国のインフラ建設資金に関する問題の解決を助け、世界経済成長の均衡性と調和性を向上させる。また、世界銀行（WB）やアジア開発銀行（ADB）の運営の経験を謙虚にくみ取り、こうした「ライバル」とも積極的に協力していく。
サミット開催地に選ばれた杭州は風景が絵のようで、中国が望む世界経済のグリーンハイクオリティ成長実現の美しいイメージを伝えるだろう。
中国はG20議長国として、この対話と協議の活動システム、代表性とバランスを兼ね備えた国際舞台で、中国の理念、自信、イメージ、誠意を世界に伝え、さらに「4I」が第5の“I”となる「Incentive（インセンティブ）」を呼び起こすことも期待している（文＝国務院発展研究センター対外経済研究部総合研究室主任、研究員）。
（チャイナネット）
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