上海交通大学の鴻文講座教授、PandaX(パンダ計画)実験担当者の季向東博士は北京時間21日夜、英国で隔年開催の国際暗黒物質大会で、PandaX2期の500キロ級液体キセノン暗黒物質観測装置の初の物理結果を発表した。1日3万3000キロの露光量でも、暗黒物質粒子の痕跡は発見されなかったということだ。これは暗黒物質の候補対象を絞り込む最新の成果になるかもしれない。ちなみに、この観測装置の感度は世界最高水準に達している。光明日報が伝えた。
最新の天文学と宇宙学の研究によると、暗黒物質は宇宙の物質の約85%を占める。一般的な物質との間に直接的な電磁相互作用を持たないため、発光することはなく「幽霊」に似ており、通常の手段では目にすることはできない。
PandaX実験室は地下2400メートルの錦屏大深度実験室の中にあり、100トンの高純度材料で観測装置を包んでいる(これらの材料は暗黒物質の観測に影響を及ぼさない)。実験ではキセノン原子を観測のターゲットとし、ひたすらその出現を待ち続ける形で観測が続けられ、地球周辺に漂う無数の暗黒物質粒子がキセノン原子に衝突することで発生する微弱な信号を観測する。
中国科学院院士、中国科学院高能物理研究所元所長の陳和生氏は「PandaX2期実験の最新結果によると、中国の大深度暗黒物質観測実験は、すでに世界トップ水準に達している」と述べた。
(人民網日本語版)
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