新華網ハーグ6月28日 (記者/劉芳、甘春)多数の国と地域の国際海洋法の専門家と学者は27日、オランダのハーグで開かれた中国人と外国人向けの記者会見で、フィリピンが一方面的に申し立てた南中国海仲裁案及び仲裁裁判所が下した管轄権の裁決に疑念を示し、協議と交渉こそが南中国海の紛争を解決する最も適切なルートだと指摘した。
武漢大学国際法研究所の主任を務める専門家の易顕河氏は、次のように述べた。出席者は仲裁裁判所はフィリピンが提示した仲裁事項の本質をはっきりと把握しておらず、『国連海洋法条約』(以下、『条約』という)自体の制限と中国政府が『条約』の規定に照らして発表した保留の声明を尊重していない。裁判の審理のプロセスでは、手順の適用、法律の適用、事実及び証拠の適用などに重大な欠陥がある。説明を行うことなく、これまでの立場を変更する仲裁委員もおり、「法律の一貫性」という国際法治の原則に違反している。これらの要因はすべて、法学界の関係者を懸念させる理由があり、この案件は国際法治にマイナス影響を及ぼすと見られる。
国連国際法委員会のラウ・パーマラジュ元委員長は記者会見で次のように指摘した。中国とフィリピンの南中国海紛争の本質は主権と海域境界画定に関わる。この案件の仲裁裁判所は主権及び海域境界画定に対し管轄権がなく、フィリピンは少数の島礁の海洋の権利について仲裁を申し立てることで、主権及び海域境界画定の問題を回避できると考えた。
パーマラジュ元委員長はまた、次のように指摘した。『国連憲章』は国家間の紛争において最優先される最も重要な解決方法は交渉、調停、和解であり、その他の第三者が参与する解決方法はすべてその次になると規定している。『条約』は多数の国の立場を妥協した産物であり、『条約』の形成のプロセスを理解している限り、南中国海紛争を司法、又は仲裁のルートを通じて解決するのが適切でないことは明白だ。
国際司法裁判所のアブドラ・コロマー前裁判官は「南中国海紛争は十分に複雑で、多数の国と多数の要素に関連している。利益の衝突を平和的に解決する最終目的に到達するためには、交渉こそが南中国海紛争を解決する最良のルートと言える。」と語った。
(新華社より)
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