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故宮といえば、宮殿や皇帝の生活場所を思い出す人が多いだろうが、実は、故宮の中では、観光客以外、そこで働き、毎日通っている人もいる。
現在の北京にある故宮は、明王朝に建てられ、清の時代に至って1911年に清のラスト・エンペラーーー溥儀がそこから追い出されることに伴い、統治者の宮殿としての役目を終えた。1925年10月10日、故宮博物館が設置し、清王朝の宮中所蔵文物を主な対象にして、博物館の管理を始めた。
文物には、長年なる保存の中、修復もメンテナンスも必要になる。今年前半、CCTV-9で放送した「我在故宫修文物(私は故宮で文物修復をしている)」というドキュメンタリーが人々の関心を集めている。
このドキュメンタリーを製作するために、撮影チームは五年間の調査を経て、更に四ヶ月の連続撮影を行った。彼らの努力と熱い思いは、最終的に三話のドキュメンタリーに込めて、青銅器、木器、刺繍、書画の修復など、故宮の人々に知られていない仕事場に閉じ込められた小さくて広い世界を披露してくれた。
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更に、「我在故宫修文物(私は故宮で文物修復をしている)」が放送したあと一ヶ月、インターネットでも公開し、すぐに大人気になった。文物修復の職人仕事に憧れるようになったというような感想が次々と出て、「中央美術学院の卒業生です。故宮でこのようなお仕事をしたいですが、どうしたらいいのですか?」のようなコメントも珍しくない。
特に、故宮の「鐘表館(西洋時計の展覧館)」で40年近く働いてきた王津さんは、人生の大半を故宮の西洋時計の修復に捧げた。しかし残念なことに「鐘表館」で展示している修復した時計は、保存のために静態のまま展示するしかない。動かない時計を見て、王さんは「残念だな」としか言えなかった。自分の仕事に敬意を持ち、そして全てをかけて仕事に身を投じる王さんは人々、特にインターネットでそれを知った若者たちの尊敬を得て、人気者にもなって、「故宮での男神(憧れの男性)」と呼ばれるようになった。そして、故宮という国家級の博物館で文物修復の仕事をしている人たちの生活を見て、若者は尚更中国の歴史の重みを感じられ、国の文物、あるいは珍宝に敬意を生じた。
「我在故宫修文物(私は故宮で文物修復をしている)」は名前から内容とチームのメンバーまで若さで溢れているドキュメンタリーである。インターネットで「青春版故宮物語」という別称も収穫した。このドキュメンタリーが若者の間で特に好評されることで、若者が文物修復に対し興味深く、新世代の価値観の傾向も分かるかもしれない。(作者/向沁)
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