欧州メディアはこのほど、東京が2020年東京五輪開催権を獲得するため、賄賂を贈っていたという情報を伝えている。フランス検察当局は12日、国際陸上競技連盟(IAAF)のラミーヌ・ディアック元会長の息子が、シンガポールの会社で280万シンガポールドルを支払われたと発表した。フランスは当初、ディアック氏と息子が賄賂を受け取り、ロシア人選手のドーピングを隠していた件を調査していたが、2016年・2020年の夏季五輪の招致に調査を拡大した。
東京都は16日、シンガポールの会社に支払いがあったことを認めたが賄賂は否定し、情報収集と分析の報酬だとした。東京都はまた、このシンガポールの会社の背景について把握していないと表明した。フランスメディアは、同社はお粗末な「トンネル会社」であると報じたが、東京都は異なる観点を示した。
本件が重大なスキャンダルになれば、日本の国家的イメージが損なわれるほか、2020年夏季五輪に暗い影を落とすことになるだろう。
パリは2024年夏季五輪の招致に乗り出している。フランス人は日本の賄賂容疑に、自ずと興味を抱いている。最後に東京に敗れたイスタンブールも、「カネで負けた」と恨み言をこぼしている。欧州全体のメディアが、日本にとって不利な報道をしている。
しかし米国メディアは現時点で、このスキャンダルと思わしき件を積極的に報じようとしていない。米国メディアは近年、日本の悪いニュースを報じる際に「やさしく」なっている。これは、米国のアジア太平洋における最も重要な同盟国は日本、という意識が強化されたためだろうか。
スポーツ界の裏側には、一般人が知り得ない、表沙汰にしにくいことがまだ隠されているようだ。ディアック氏らの財布にいくら入ったかはさておき、約1300万元を「シンガポールの会社」に支払うという「ロビー活動」の正当性が疑われている。
五輪とW杯に積極的に参加する国が増えているが、先進国の方が多くの利益を手にしている。多くの発展途上国は大会を盛り上げているが、そのスポーツ以外の派生価値を共有しがたい。招致をめぐる賄賂、スポーツ競技における不正行為は、オリンピック精神にもとる、スポーツとは関係のない計算だ。
東京の支払先を調査で明らかにするのは難しくないが、さまざまな「ロビー活動」の定義は曖昧だ。国際オリンピック委員会が厳格な規定を制定し、招致の過程をよりクリーンで公平にし、第三世界に五輪などのスポーツ大会を主催するチャンスを与えるべきだ。
(チャイナネット)
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