日本の九州地方では熊本県を中心に14日以来強い地震が続いており、大きな人的被害と経済的損失が出ている。16日午前1時25分に熊本県を中心に発生した地震はマグニチュード(M)7.3に達し、1995年の阪神大震災級の規模で、14日の最初の地震のM6.5を上回った。震度分布も大分県、福岡県をはじめ広範囲にわたった。地震はその後も続いており、日本社会に大きな心理的ダメージを与えるとともに、停滞気味の日本経済にとってはさらなる打撃となった。「経済日報」が伝えた。
一般的に地震はまず本震が起こり、余震がその後に続く。だが日本の気象庁は16日、14日の地震を前震、16日の地震を本震とする見解を発表。こうした現象は過去の地震観測で見いだされた法則とは異なるもので、専門家の多くが、「想像を超えている。続く状況がどんなものになるか懸念される」との見方を示す。特に地質調査の結果をみると、地震を起こした活断層は北東から南西に走り、地震も北東方向から西方向へと拡大している。熊本県西部にある活火山の阿蘇山では16日午前に小規模な噴火が起こり、噴煙は約100メートルの高さに達した。最初の地震発生からの3日間に、熊本県で発生した震度4以上の強い地震は78回に上り、弱い地震は460回も発生している。気象庁の記者会見では、関係者が「余震」という言い方をやめ、「一連の地震」という言い方をするようになった。
現時点で、地震による死者は41人、行方不明者は数十人。地震と土砂崩れにより広い範囲で家屋が倒壊し、20万人が避難し、断水が32万世帯、停電が7万3300世帯、停ガスが10万世帯に上る。日本政府は全国から警察、消防、自衛隊の救援部隊を投入し、閉じ込められた人の救援や行方不明者の捜索を全力で続けるほか、食品、飲料水、生活用品などを続々と被災地に運んでいる。17日の救援部隊の規模は約2万5千人で、18日には3万3千人に達する見込みだ。
地震は日本の南西地域の経済に大きな打撃を与えた。九州地方の空港、鉄道、道路に損失が出て運行が停止しており、交通と物流に深刻な影響を与えている。熊本空港ではターミナルビルの天井や壁のガラスが崩落し、日本航空と全日空はすべての便を欠航にし、のべ6千人に影響が出た。九州新幹線は14日夜の地震で脱線し、全線で運転を見合わせている。在来線を含むすべての路線で復旧のめどが立っていない。九州の高速道路や大分の高速道路などは土砂崩れで通行止めになり、一般の国道も深刻な被害を被り、南阿蘇大橋は崩落した。宅配便大手の佐川急便、ヤマト運輸、日本郵政などは営業スポットが停電したとして、貨物 郵便物の受け入れを停止している。
昨年に九州地方を訪れた外国人観光客はのべ283万人で、前年比69%増加し、うちアジアからの観光客が70%を占めた。今回の地震で熊本城などの主要観光地と宿泊施設に被害が出たことや、交通の寸断などを踏まえ、韓国、中国、香港地区の旅行社は九州地方へのツアーを見合わせている。
経済学専門家も地震が経済情勢に大きなマイナス影響を与えることを懸念する。日本総研の下田裕介副主任研究員は、「工場の操業停止が続けば、5月と6月の工業生産の統計に影響し、景気の不振を一層激化させることになる」と話す。大和総研グループの熊谷亮丸チーフエコノミストは、「地震が消費者の心理に影響し、海外の投資家達も日本株を投げ売りする可能性がある」と予想する。
(人民網日本語版)
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