日本の鳩山由紀夫元首相は3日午後、東京で、「中日著名人ジャーナリスト対話」に出席する中国側代表と交流を行い、その中で、中日関係が悪化した主な原因は日本側にあると話した上、中国の「第13次五カ年計画」を高く評価しました。
鳩山氏は席上、自身の首相在任中、中日関係は安定した発展を保っていたとし、「漁船衝突事件後、当時の菅直人首相が誤った対応をとってしまった。その後、釣魚島問題で石原慎太郎元東京都知事が不適切な発言を行い、野田佳彦元首相が国有化に踏み切った。これらは、いずれも両国関係の正常な発展に影響を及ぼした。その後に発足した自民党政権では、安倍首相が靖国神社を参拝し、釣魚島問題や歴史問題で中国の国民感情を害し、日中関係をさらに悪化させてきた」と指摘しました。
そして、両国の政治関係の現状について、「大半の責任が日本側にある。より正常な状況に戻すためには、日本側が歴史の事実に目をつぶらず、事実を事実として認める勇気をもつことが必要だ。目下の状況を何とか克服しなければいけない」と話しました。
この3月に開かれた中国の全国人民代表大会(以下「全人代」)で、中国の王毅外相は中日関係について、「日本の政府と指導者は両国関係を改善しなければならないと公言しつつも、いたる所で中国に難癖をつけている。これはまさに二面的なやり方だ」という発言をしました。これに対して、鳩山氏は賛同の意を表し、「日本政府が、一方では中国との友好を主張し、もう一方では中国のことを西沙、南沙、釣魚島などの区域における軍事的脅威であると誇張して、『中国脅威論』を言いふらしている。これは自信の無さの表れである」という見方を示しました。
さらに、「中国経済が絶えず成長を続けているのに対して、日本は『失われた20年』に陥ってしまった。このことが、戦後、経済の高度成長により確立された日本の自信にダメージを与えた」と分析した上で、「このような二面的ななやり方では、日本にとってメリットはない」と指摘しました。
一方、歴史問題について鳩山氏は、大半の教科書が説明不十分で、正しく説明していないこともあり、大多数の一般国民が領土問題や南京大虐殺をはじめ、両国間の歴史問題に対して正しい認識をもつことができていないと示しています。
また、席上、鳩山氏は、中国の全人代が承認した「第13次五カ年計画」について、「大変画期的なことだと思う。5年間の計画にとどまらずに、2030年、2050年を見据えた中長期的な目標をもって、具体的な政策を推し進めようという強い意思を感じられる。こういう大きな構想に対して、日本が早い段階で協力の意思を示すメッセージを出すことは、日本にとっても、日中関係にとっても、世界の安定にとっても大きな意味を持つと思う」と期待を寄せました。
なお、中国公共外交協会の主催による「中日著名人ジャーナリスト対話」は4日東京で、「友好と共通認識の拡大、民間の実務的協力の推進」をテーマに開かれ、中国からは「人民日報」、中国国際放送局(CRI)、日本語月刊誌「人民中国」などのメディア関係者が出席しています。
(中国国際放送局)
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