商務部(商務省)の沈丹陽報道官は2日に行われた定例記者会見で、「海外資本が合併買収(M&A)方式で国有企業の改革に関与することを支持する」と述べるとともに、「中国ではここ数年に外資によるM&Aが安定した増加傾向を示てきたが、『M&Aブーム』といったことは起きていない」と指摘した。「京華時報」が伝えた。
沈報道官によると、「資源量 エネルギー量には限界がある現在の中国の状況において、外資によるM&Aを奨励することは、供給のストックを活性化し、産業のモデル転換 高度化を牽引し、世界トップレベルの管理経験を導入する上でプラスになり、ひいては中国企業の国際競争力のさらなる向上につながる」という。
国境を越えたM&Aは現在、世界の対外直接投資の重要な方式となっており、グローバル資本フローにおいて常に高い割合を占めてきた。
同部がまとめたデータでは、2015年に海外投資家がM&A方式で中国に投じた金額は178億ドル(約2兆252億円)で、中国の外資導入額全体の14%にとどまった。沈報道官は、「中国のここ数年の外資によるM&Aは安定増加の傾向をみせたが、規模と割合は国際水準をはるかに下回り、M&Aブームといった現象が起きていないことは明らかだ」と述べた。
沈報道官は、「今後は『外資三法』(中外合資経営企業法、外資企業法、中外合作経営企業法)を早急に改訂し、外国投資法を制定するとともに、2016年の間に全国人民代表大会に送って審議にかけることを目指す」とし、また、「商務部は2016年に外資利用の拡大や外資利用の水準向上といった関連業務を行う際、外資参入に対する制限措置をさらに削減し、外資系企業によるハイテク産業、グリーン環境保護産業、現代型サービス業への投資を積極的に誘導し奨励していく」と述べた。
(人民網日本語版)
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