中国航空市場はここ数年、航空会社と航空機メーカーにとって重要なターゲットであり続けている。業界では、中国経済の成長の鈍化は民用航空の需要には影響していないとこの見方が一般的で、巨大航空機メーカーのエアバスとボーイングは中国で勝負をかけようとしている。「京華時報」が伝えた。
▽巨大航空機メーカーが中国での工場建設を加速
最近の航空市場で最大のニュースは、今月2日にエアバスが天津にある中国法人 空中客車(天津)総装公司で行った「A330」機の天津組立 引渡センターの着工式典であることは間違いない。これは「A320」シリーズ機の天津組立ラインと天津引渡センターに続く、エアバスの天津における重要プロジェクトだ。新センターの建設はこれからのエアバスと中国のナローボディ分野での協力により多くのチャンスをもたらした。
エアバスのファブリス ブレジエ社長兼最高経営責任者(CEO)は、「エアバス天津工場のA330第1号機は2017年に引渡される予定で、このプロジェクトの製造がスタートすれば毎月最大で2機を引渡できるようになる」と話す。
エアバスの主要競争相手のボーイング社も中国に工場を建設する。昨年9月、中米両国が合意に調印し、ボーイングは中国商用飛機有限責任公司と提携して中国に「737」機の組立センターを建設することになった。同センターでは主に737機の内装、塗装、引渡を行い、製造ラインに続く段階を担う。ボーイングが海外に工場を建設するのはこれが初めてで、海外民用航空機メーカーが中国に引渡センターを建設するのはこれが2例目だ。ただ現在、建設の具体的な場所や時期については話が進んでいない。
▽チュグオクは世界最大の旅客バイヤーに
巨大航空機メーカーが航空機製造の最後のプロセスを中国で行おうとするのはなぜか。このほど閉幕したシンガポール エアショー2016から答を導き出すことができる。
ボーイングが同ショーで行った予測によると、今後20年間に、中国南方航空、中国国際航空、その他の中国航空会社は新たに約6300機の航空機を必要とし、総額は9500億ドル(約108兆8405億円)に上り、世界の航空機需要の約17%を占めると予想される。また中国は今後20年以内に米国に代わって世界最大の航空機市場および観光市場になることが予想される。
エアバスの予測では、今後20年間のグローバル航空市場の年平均成長率は4.6%で、中国航空市場の同成長率は国内路線でも国際路線でも世界の平均水準を上回るという。
米ハネウェル社のアジア太平洋圏ビジネス開拓総監のポール ネフ氏も、「中国航空市場の今後の発展に高い信頼を寄せている」といい、「中国は国土面積が広く、人口が多く、成長の可能性は極めて大きい。今後20年間、成長ペースは止まらないし、遅くならないとみられる。現在、大都市には大手航空会社や大きな空港があるが、多くの中規模都市にはなく、中国の中規模都市は他の国からみれば大都市だ。よって中国には発展が必要であり、潜在的な発展の可能性もある」と述べた。
業界の予想では、中国政府がモデル転換を推し進めるのにともない、中国は今後20年で世界最大の旅客機の買い手になというる。これと対照的なのは、ここ数年需要が旺盛だったインドや東南アジアなどの市場で、すでに飽和状態にあり、複数の航空会社が相次いで旅客機の引渡延期を発表した。
(人民網日本語版)
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