在日中国人は子供の数の制限を受けないが、何人産むべきかに関してはさまざまな意見がある。記者は数人の代表的な中国人を取材し、育児に関する観点を話してもらった。日本の中国語新聞『中文導報』が伝えた。
子宝は人生の宝
千葉県在住の陳念馨さん(仮名)には3人の子供がいる。彼女は、3人の子供は神様から授かった天使だと語る。
陳さんは20代で母になった。当時はまだ若かったが、知らぬ間に子供も大きくなってしまったという。ただ子供が三人産まれたため、年下の子供の面倒を見させることができる。陳さんは一人っ子で、きょうだいのいる家庭が羨ましかった。そのため長男の出産後、すぐに長女を出産した。
日常生活では、兄が妹の面倒を見ることが多い。陳さんはその光景を見ると感動し、「本当に仲がいいこと」とつぶやくこともあるという。親はいつか年老い、先にこの世を去ってしまうため、頼れる子供を残しておけば安心できる。
経済的理由から、一人っ子を選択
一部の在日中国人は子供を何人も出産しているが、一人っ子で我慢する人もいる。日本では子供の数は制限されていないが、日本の忙しい仕事、高額の教育費と物価により、一部の中国人は2人以上の育児をためらっている。
高齢者の劉さんは、「私たち夫婦は年をとってから訪日し、所得も低・中水準だ。日本人のように多くの子供を育て、妻が仕事をやめて日本人のように専業主婦になれば、生活は苦しくなる。子供全員に良い教育を受けさせられるかも分からない。それに私は年をとってから訪日し、年金加入が遅れたため、受給額は日本人の半分ほどになりそうだ。育児と教育費の負担を一日も早く終わらせ、お金を貯めて老後の資金にする必要がある」と語る。
日本メディアは昨年6月、次の情報を伝えた。
ある調査機関が婚姻期間14年未満の男女約3000人に、2人目の出産に関するアンケート調査を行った。その結果、回答者の75%は、2人目の出産をためらっているとした。経済的な理由のほか、1人目の育児の影響、仕事上の理由によりためらっているという。
回答者の約8割は、理想的な子供の数を「2人以上」としている。この調査結果は、2014年の全国人口動態統計(概数)で示された、「2人目の壁」と合致している。
回答者の75%は、「2人目の壁が存在する」とした。その理由のうち、「経済的理由」が86%と最も高い比率を占め、「1人目を育てるだけで精一杯」は43%、「自身もしくは配偶者の年齢」は42%、「育休取得、職場復帰の問題」は38%となった。働く女性に限ると、「仕事上の理由」が64%を占めた。
回答者の81%は、2人目の壁をなくすにはどうすべきかという設問に対して、「養育費、教育費などの経済的な基盤が必要」とした。45%は「離職・職場復帰の利便性を高める職場の協力」、44%は「勤務時間の短縮、自身および配偶者の仕事と生活のバランスの改善」とした。
(チャイナネット)
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