第3弾となる中国自由貿易試験区の設立が、早ければ「両会」(全国人民代表大会と全国政治協商会議)後にも承認される見通しだ。今回は内陸部に5~8の試験区が設立される可能性がある。「経済参考報」の記者が業界関係者の話として伝えた。
関係者によると、設立済みの第2弾までの試験区はいずれも沿海部に位置するため、地域の協調発展と開放を進める方針を考慮すると、第3弾は内陸部となる見通しだ。国境付近にも1カ所設立される可能性がある。最終的には5~8カ所が設立されるはずで、「2016年上半期中にリリースできるよう、早ければ『両会』後にも承認される見込み」だという。
すでに設立済みの上海、広東、福建、天津の4つの自由貿易試験区と比べると、内陸の自由貿易試験区には新たな道を模索する使命が課せられる。第1は、「一帯一路」など国家戦略と緊密に連携し、自由貿易試験区を「一帯一路」の中国国内での重要拠点とすることだ。第2は、内陸部発展に向けた新たな道筋を模索し、内陸開放への新たな機運を高めることだ。
2016年は地方政府による自由貿易試験区の設立申請が顕著に増加している。「経済参考報」記者が地方政府の「両会」政府活動報告と「十三五(第13次5カ年計画、2016-2020年)」計画提案書などの資料を基に整理したところ、青海省、吉林省、北京市、山西省、チベット自治区、河北省を除き、21の省・市・自治区が自由貿易区の設立申請を提出した。うち、少なくとも16の地方政府が自由貿易区設立申請を2016年の活動計画にはっきりと組み込んでいる。
関係者は「現段階では不透明な状況で、最終決定はまだ」だという。
業界の専門家は、「湖北省、陝西省、河南省、四川省、重慶市などが選定される可能性が非常に高い」と予想する。
対外経貿大学国際経貿学院教授で天津自由貿易区方案の策定に関わった盧進勇氏は、「内陸部の自由貿易試験区は沿海部と連携すると共に差別化を図る必要もある。改革の内容を受け継ぐとともに、独自に突破口を見出す必要もある。」とした上で、「非常に重要なのは、内陸の自由貿易試験区設立により内陸部の改革開放を推進し、新たな機運を盛り上げることだ。」と指摘する。「この目的を達成できないのなら、自由貿易試験区を設置する意義は小さい」としている。このほか「一帯一路」など国家戦略と緊密に連携する必要がある。経済成長の「新常態」、供給側改革、余剰生産能力の削減、構造調整、新たな成長ステージなどの問題とにらみ合わせ、有益な模索と検証を重ねる必要がある。
同氏はまた、第3弾となる自由貿易試験区は必ずしも「自由貿易試験区」という統一的な呼び方を使う必要がないと提議する。貿易、金融、投資などの分野についてはいずれも試験区内でテストができるため、「総合改革試験区」「開放型経済新体制試験区」などに調整しても構わないとの見解を示した。
(チャイナネット)
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