環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が発効した場合、日本の国内総生産(GDP)が10年間で0.12%減少し、約7万4000人の雇用が失われると分析した影響試算を、米国のタフツ大が公表した。米国でも同様に、雇用やGDPへの悪影響が考えられるとしている。日本メディアが伝えた。
日本政府は2015年12月、TPPで日本の実質GDPが2.59%増加するとした試算を明らかにした。世界銀行も日米のGDPに好影響を与えるとする試算を公表済みで、対照的な分析結果となった。
タフツ大が公表した論文は、日本政府や世銀が用いた分析手法が「(TPPの)雇用への影響を排除している」などと指摘した。日本政府筋は、「タフツ大の論文は古い分析手法を用い、大筋合意の内容も踏まえていない。分析結果は単純に比較できない」と反論した。
タフツ大の論文によると、2015−20年の10年間で米国と日本のGDPはそれぞれ0.54%、0.12%減少する。協定に参加した他の10カ国のGDPにはプラスの効果をもたらすが、わずかな増加にとどまるとした。
TPP発効の雇用への影響は深刻で、12カ国全体で約77万1000人が職を失う恐れがあると分析した。中でも米国での雇用喪失は約44万8000人規模に上るという。
(チャイナネット)
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