日米は近年いわゆる「軍事一体化」を強化している。これはもはや、隠し事ではなくなっている。特に安倍政権が久しぶりに日米防衛協力のための指針を改定し、安保関連法案を強行採決すると、日米の軍事協力は駆け足で前進する段階に入った。日本新華僑報(電子版)が伝えた。
しかし多くの日本人とメディアは、この国が軍事化の危機に立たされていると考えている。国家の心臓部と呼べる首都圏も、この災難から逃れられない。
新型輸送機「オスプレイ」は、米国の軍事力の海外拡張の武器になっている。日本はオスプレイにとって、最も重要な配備先だ。オスプレイは東京都福生市の米軍横田基地に配備されるほか、入札により千葉県木更津市が定期整備拠点に選ばれた。同基地は陸上自衛隊のオスプレイの定期整備拠点にもなる。地図を見ると、東京湾を中心とする首都圏の軍事化の構造がよく分かる。
首都圏が日米軍事一体化に侵食される現象は、昔から存在していた。いわゆる「横田空域」は、日本人に非常に嫌われている概念だ。この「領空」は新潟県から東京西部、伊豆半島、長野県と1都8県に跨る。高度3700−7000メートルは、在日米軍が管轄権を持つ飛行制限空域だ。日本の民間機はこの広大な空域を避けて飛行しなければならない。日本の専門家の統計によると、首都圏上空が米軍に管轄されている影響により、日本の旅客機は毎年11万キロも回り道をしなければならない。この回り道による消費燃料は、羽田発大阪行きの消費燃料約1年分に相当する。そのため羽田空港、成田空港を含む首都圏の航空券は常に高額となっている。
多くの日本人学者は、首都圏内の国際空港は搭乗者で混雑しているが、その原因となっているのが米軍の空域に対する独占だと批判した。航空業者と乗客が、大きな犠牲を強いられている。米軍の首都圏の空域に対する「管制」により、首都圏から西日本への航空機による交通費が高くなっている。これは中国や韓国などとの国際線に対しても、目に見えない「壁」を形成している。また横田空域の下には住宅区や繁華街が密集しており、米軍機が故障し墜落などでもしたら、想像もできない結果がもたらされる。
首都圏の空域の「返還」は、日米が戦後長期に渡り交渉を続けてきた難しい問題だ。歴代政権はさまざまな方法を考え尽くし、さまざまな手段によりこの重要な権力を取り戻そうとしてきた。しかしながら安倍晋三首相は再任後、自ら米軍にドアを開き、米軍が首都圏に武器を配備できるよう積極的に土地を確保し、配備先を選び、施設を建設した。日本のこれまでの努力を水の泡にしたばかりか、今後の交渉に向け大きな障害をこしらえた。安倍首相の「売国的」な行動により、首都圏の戦争基地は増える一方で、日本国民の不安と憤りを強めている。
(チャイナネット)
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