ペンギン餌やりやオーロラ見物の特典付き
「年俸20万―25万元(約380万円から480万円)、現在のポストや福利厚生は保障される。これって本当?」- 28日夜、南極にある中国の観測基地が現地で働く料理人を募集しているという情報が、微信(Wechat)のソーシャル機能「モーメンツ(朋友圏)」で広まった。国家海洋局極地観測弁公室の担当者は29日朝、「募集の投稿は本当に存在する。今回、中国第33次南極観測越冬後方勤務職予備選抜隊員として、南極に赴く『勇士』数名を募集した。料理人のほか、医師、電気エンジニア、メンテナンス担当者、電子エンジニアの職種を募集した」と話した。華西都市報 が伝えた。
〇料理人の勤務内容-観測隊員の口に最も良くあう「家庭料理」の調理
食材はすべて中国から輸送
料理人は、南極でどんな料理を作るのだろう?国家海洋局極地観測弁公室の担当者は、次の通り説明した。
南極観測基地で働くメンバーは、全国各地から集まっているため、料理人は皆の好みに合った料理を出さなくてはならない。可能な限り、一人一人の嗜好にマッチした料理を作ってもらう。だから、食卓には、油分たっぷりのホイコーローが出されることもあれば、熱々の餃子の時もある。中国の実地調査隊メンバーは、日本映画「南極料理人」に登場したラーメンやお刺身など日本の人気料理よりも、正統派の中華料理を好んで食べる。
物質に乏しい南極、食材はどうやって調達するのだろう?南極海域で新鮮な魚介類を捕まえて料理に使うことはできるのか?映画「南極料理人」では、食材の一部として現地の海鮮が登場したが、現実では、このようなことはあり得ない。先述の担当者は、「環境保護のため、南極調査隊は現地で生物を捕獲することはできない。このため、全食材は中国から輸送される。食材はすべて、国内で見慣れたものばかりだ」と話した。
〇余暇に何をする?-ペンギンの餌やりやオーロラ見物、室内ではバスケやバドミントン
同担当者は、「動物保護の観点から、長城基地と中山基地はいずれも、ペンギン居住エリアから一定の距離を隔てた場所に設営された。だが、それほど離れていても、遠目にペンギンを見ることができる。ペンギンたちが、肩で風を切り、基地の方向に歩いてくることもある。南極で仕事をすると、ペンギンだけではなく、キラキラ光り輝く美しいオーロラを見ることもできる」と話した。
南極は気温が低く、冬になると、実験基地周囲の外気温は零下40℃に達する。夏でも最高気温は零下2℃ほどだ。だが、基地の内部は暖房で暖かい。よって、中国版「南極料理人」は、寒さをそれほど心配するには及ばない。また、冬の間、基地で働く全職員に1人部屋が与えられる。
室内の暖かさは保障されたが、厳寒の環境ではどうしても動くのが億劫になる。南極での生活には、どんなレジャーや娯楽が用意されているのだろうか?長城基地と中山基地はいずれも、かなり条件が整った基地で、室内ではバスケットやバドミントンを楽しむことができるという。スポーツのほか、基地の隊員は、インターネットの利用が可能で、家族とのビデオ会話やドラマ鑑賞、ゲームを楽しむことができる。これらのレジャー・娯楽設備によって、限りなく味気ない「南極」の氷はことごとく氷解するだろう。
(人民網日本語版)
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