中国科学院遺伝・発育生物学研究所は、このほど細菌から発見された適応免疫システムが、ウイルスと外来DNAを特異的に認識する特性を利用し、この成果を植物に導入することで、植物内で抗DNAウイルスシステムを構築した。北京日報が伝えた。
ジェミニウイルスは植物の中で唯一、双子粒子の形状を持つ一本鎖DNAウイルスで、現在知られているうち最大の一本鎖DNAファミリーだ。同ウイルスは単子葉・双子葉植物の中で、多くの宿主を持つ。すでに報じられているジェミニウイルスは、トウモロコシ、綿花、トマト、キャッサバ、甜菜などの重要な農作物に感染し、農業に深刻な被害をもたらす。
同研究所は今回「Beet curly top virus」を基準ウイルスとし、実験によって次のことを証明した。植物に効果の高い適応免疫システムを植えこむことで、同ウイルスの植物内における蓄積を効果的に抑制できる。またターゲットの突然変異の分析によると、同システムはウイルスDNAを特異的に切断できる。この方法を使い抗ウイルス植物を栽培すれば、ウイルス遺伝子機能に基づく深い理解の必要がなくなり、単純かつ汎用性が高い。同研究は抗DNAウイルス作物の育成に対して、指導的な意義を持つ。
(人民網日本語版)
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