日本は第2次大戦の全ての枢軸国の中で最も早く侵略戦争を発動し、最も遅く戦争を終結した国だ。(文:村田信彦・元毎日新聞社駐独記者)
第2次大戦後、欧州の各枢軸国は例外なく懲罰を受けた。懲罰措置には戦犯の処罰、被害国政府・国民への賠償、領土の制限と縮小などが含まれた。これと対照的に、アジアでは侵略者に対する清算は十分に徹底したものではなかった。主犯の日本は99%の国土を保障された。一部戦犯は日本の政界や実業界で活躍することが依然認められた。さらに歴代自民党政権高官の中には、あろうことか「日本は朝鮮半島など固有の領土を失った」と公言する者までいた。こうした歴史認識に問題のある、挑発的、好戦的な排外主義には驚愕させられる。
現在、ドイツやイタリアなど各国にファシズムと軍国主義を賛美する首脳はいないが、日本は世界で唯一の「危険な例外」だ。ドイツ、イタリアといったかつての枢軸国はいずれも自国の暗黒の歴史を世に公表し、学校教育で子どもたちに伝えるとともに、被害国の人々に対して誠意あるおわびをしている。ドイツ政府は1996年に、1月27日を「ナチス犠牲者記念日」と正式に定めた。2005年5月7日と8日、ドイツの首都ベルリンでは盛大な「民主主義の日」集会が開かれ、戦争に対する集合的記憶の責任を強調した。歴史に対するドイツの深い反省は近隣国から積極的に評価され、世界の人々の尊敬を勝ち取った。一方、日本政府の一部指導者は抗日戦争(日中戦争)で死亡した中国の人々におわびをせず、あろうことかA級戦犯を祀る靖国神社を参拝する首相までいる。なぜ日本政府は正式に9月3日を「アジア解放の日」、12月13日を「南京大虐殺犠牲者追悼日」と定めないのか。非常に遺憾だ。旧枢軸国を含む欧州各国はナチスドイツ降伏70周年の日を「解放の日」として祝っている。日本だけが枢軸国の敗戦を「屈辱の日」として悲しみ嘆いている。こうした行為は全く愚かの極みだ。
村山富市元首相は日本の無条件降伏公表50周年にあたり、植民地支配と侵略戦争を深く反省する正式な談話を発表した。だが日本が国際社会に向けて真剣な約束を表明したこの談話を、現在の日本の指導者は顧みずに放置しようとしている。もし日本政府にまだいくらかの良識と良心が残っているのなら、中国の人々に対して誠意あるおわびをするべきだ。
今年は世界反ファシズム戦争勝利70周年という重要な節目であり、日本の首相による戦後70年談話は全世界から大変注視されている。だが目下、日本の歴史認識が「正常」か「異常」かという点に関して、国際社会の見解と安倍政権の見解とには大きな隔たりがある。現在最も重要なのは、理性、理知、平和に満ちた国際社会が安倍政権およびその支持者に厳正に対処することだ。日本が過去に犯した罪を認めず、反省とおわびをしないのでさえあれば、国際社会は過去の歴史の教訓を汲み取ったうえで厳しく非難しなければならない。
(人民網日本語版)
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