【新華社北京6月3日】このほど、閉幕した第14回アジア安全保障会議(シャングリラ対話)で、南中国海問題は一部の出席者とメディアから誇張して伝えられた。また、テロ対策協力、大国関係、災害対策、ネットワークセキュリティーの脅威などの議題についても討論が行われた。
アナリストは歴史問題、領土問題などをめぐって一部の対立が見られるが、東アジアの安全情勢は全体的に安定しており、制御不能とはほど遠い。当該地域に属さない他国が故意に挑発しなければ、これらの紛争はこれほど激化しては不可能だ。今回のシャングリラ対話で、中国は対話を通じて意見の相違を解決する誠意を再び示し、国際世論から幅広く評価を得ている。
東アジア情勢は全体的に安定
シャングリラ対話の正式名称はアジア安全保障会議で、本部をロンドンに置いたシンクタンクの国際戦略研究所が主催する多国間フォーラムで、毎年シンガポールのシャングリラホテルで開催されており、それが名前の由来となった。この対話は近年、アジア太平洋地域における防務方面の各国の高官と学者が地域安全保障を議題に討論を行う重要な場となっている。
アジア新興経済体は現在、世界経済の成長をけん引する重要なエンジンへと成長している。一方で、アジアは多くの不安定な要素にも直面している。例えば、シリア内戦、イエメンの武装組織の衝突、過激派組織「イスラム国」の勢力の蔓延などだ。東アジアでは、朝鮮の核問題、日本の集団的自衛権行使の解禁、南中国海問題への関心が高まっている。
特筆すべきことは、米国が展開する「アジア太平洋へのリバランス」戦略で、アジアの地域問題に干渉し、南中国海問題で真相を捻じ曲げ、火に油を注いでいることだ。
アナリストは次のように分析している。アジア情勢、特に東アジア情勢は全体的に安定している。マレーシア総理の前政治秘書を務めたシンガポールの南洋理工大学(NTU)高級研究学者の胡逸山教授は新華社記者の取材を受けた際に、アジアの現在の情勢はシャングリラ対話で提示されたような一触即発の状況にあるのではなく、相対的に安定している。