【新華社蘭州3月16日】中国蘭州大学西部生態学的安全協同革新センター主任を務める黄建平(こう・けんペい)教授とチームはこのほど、5年の歳月をかけて、衛星リモートセンシングデータと地上観測データに基づく地球規模の砂漠化脆弱性指数を作成、さらにその数値を利用して将来の砂漠化リスクの変化傾向をシミュレーションして予測することに成功した。この指数は地球規模の砂漠化に対する脆弱性の評価に利用でき、政策決定者がリスクに対して過敏な地域の土地修復や砂漠化対策の政策を制定する上で重要な意義があり、地球規模の砂漠化対策に一定の科学的根拠を提供する。
黄氏によると、砂漠化は地球全体の生態系・環境の安全に対する深刻な脅威というだけでなく、世界の経済発展と人類社会の持続可能な発展にも影響を及ぼしている。現在、砂漠化問題を抱える国や地域は100を超え、砂漠化面積は3600万平方キロに達し、世界人口の6分の1にあたる人々が直接的に砂漠化の脅威にさらされている。黄氏は「砂漠化リスクを評価することは重要な意義がある。われわれは損失が発生する前に予防措置を講じることで、砂漠化がもたらす損失を軽減できる」と語る。
砂漠化は過程が複雑だ。これまで砂漠化の評価に関し、国内外の学者たちが多くの研究を行ってきた。当初は地表状態の調査に基づいて特定地域の砂漠化を評価する方法が多数を占めた。地表状態の調査は比較的正確なデータを得られるものの、研究できる範囲が限られ、広範囲にわたる砂漠化をモニタリングするには一定の制約がある。衛星リモートセンシング技術の進化に伴い、砂漠化のモニタリングはリモートセンシングによる定量化が進んでいる。
黄氏が率いるチームの研究成果では、地球規模の砂漠化脆弱性指数は同一の指標体系で、砂漠化に対する脆弱性のレベルを「極めて高い」、「高い」、「中程度」、「低い」の四段階に分けている。現在、リスクが「中程度」、「高い」、「極めて高い」地域は地球表面積のそれぞれ13%、7%、9%を占めた。
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