:
ナイトタイムエコノミーを支える「夜光族」に注目集まる
jp.xinhuanet.com | 発表時間 2019-08-01 14:55:46 | 新華社 | 編集: 张一

  【新華社杭州8月1日】中国の北京、上海、済南、天津などの都市が相次いで新しい消費促進策を打ち出す中でこのところ、「ナイトタイムエコノミー(夜間経済)」という言葉が消費の新たな成長点としてたびたび登場するようになっている。これは夜6時から翌日朝6時までの経済・文化活動を指す。例えば、北京市では前門や大柵欄、三里屯などのエリアをナイトエコノミー促進の「夜京城(夜の首都)」に指定した。また、済南市では城のお堀や大明湖のナイトクルーズプロジェクトを推進している。上海では没入型舞台劇やミュージカルなど夜の文化芸術活動を導入、育成している。

  熱気を帯びる夜間消費の裏で、「夜光族」の概念もホットになりつつある。「夜光族」とは、昼は一生懸命稼ぎ夜は一生懸命使う「夜光型」消費者であり、また深夜に食事や娯楽、配送などのサービスを提供する調理師、劇場の係員、飲食業の出前要員など、夜に温かな光を発する人々をいう。

  深夜0時半、甘粛省出身のフードデリバリースタッフ関(かん)さんは北京の蘭州ラーメン店から顧客の家まで牛肉麺を配送していた。すでに深夜だが関さんは休む間もないほど忙しく、午前0時から2時までの間に10件以上の注文をこなす。注文が入って携帯電話のスクリーンが夜の闇のなかで光る。そんな関さんも「夜光族」のひとりだ。

  夜の娯楽やレジャー、ショッピングの選択肢は豊富になる一方だが、これは都市の発展や都市機能の充実と切り離すことはできない。また、インターネット上でも「ナイトタイムエコノミー」ブームが起こっている。アリババグループがこのほど発表した「アリババ『ナイトタイムエコノミー』リポート」では、ネット上の「ナイトタイムエコノミー」が描写されている。日が暮れると、ネットショッピング・ユーザーたちの買い物のピークが訪れる。21時から22時の時間帯はショッピングサイトのタオバオの受注のピークだ。21時以降の二線都市(経済・文化が発達した地域中核都市)でのフードデリバリーの消費の伸びが最も速く、フードデリバリーサービスの発展で都市の半径は広がり、郊外のデリバリー消費拡大のスピードは中心部を上回っている。夜間の文化活動に関する消費も非常に旺盛で、報告では19時から21時がエンターテインメントを楽しむピークの時間帯で、文化インフラの発達した北京、上海、天津、成都、杭州が最も盛んだという。

  浙江工商大学の唐代剣(とう・だいけん)教授は「消費者であれサービス提供者であれ、『夜光族』は活気あふれる国内市場の創造者になっている」と説明した。

  国家統計局が15日に発表したデータによると、今年上半期(1~6月)の経済成長に対する消費の寄与率は60%を上回り、最大の原動力となっている。「ナイトタイムエコノミー」は消費の新しい成長点で、その発展は経済的命題というだけではなく、ガバナンスが試される問題だというのが正しい理解だと、取材の中で多くの専門家が指摘した。

  北京人民芸術劇院の著名俳優、濮存昕(プー・ツンシン)氏は「都市のナイトライフは単純に食べて飲んでだけではない」と述べ、ますます多くの人が夜に劇場に足を運んで文化的な演目を楽しむことを生活習慣にしていると指摘した。

  中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍(ちょう・へい)主任は、ナイトタイムエコノミーはデイタイムエコノミーの自然な延長線上にあり、両者は協調して発展する必要があると指摘、翌日の生活のためにナイトタイムエコノミーで自分を高め、リラックスして心身ともに充実を図ることを推奨したいと話している。(記者/楊洋、張璇)

 

当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。

新華網日本語

ナイトタイムエコノミーを支える「夜光族」に注目集まる

新華網日本語 2019-08-01 14:55:46

  【新華社杭州8月1日】中国の北京、上海、済南、天津などの都市が相次いで新しい消費促進策を打ち出す中でこのところ、「ナイトタイムエコノミー(夜間経済)」という言葉が消費の新たな成長点としてたびたび登場するようになっている。これは夜6時から翌日朝6時までの経済・文化活動を指す。例えば、北京市では前門や大柵欄、三里屯などのエリアをナイトエコノミー促進の「夜京城(夜の首都)」に指定した。また、済南市では城のお堀や大明湖のナイトクルーズプロジェクトを推進している。上海では没入型舞台劇やミュージカルなど夜の文化芸術活動を導入、育成している。

  熱気を帯びる夜間消費の裏で、「夜光族」の概念もホットになりつつある。「夜光族」とは、昼は一生懸命稼ぎ夜は一生懸命使う「夜光型」消費者であり、また深夜に食事や娯楽、配送などのサービスを提供する調理師、劇場の係員、飲食業の出前要員など、夜に温かな光を発する人々をいう。

  深夜0時半、甘粛省出身のフードデリバリースタッフ関(かん)さんは北京の蘭州ラーメン店から顧客の家まで牛肉麺を配送していた。すでに深夜だが関さんは休む間もないほど忙しく、午前0時から2時までの間に10件以上の注文をこなす。注文が入って携帯電話のスクリーンが夜の闇のなかで光る。そんな関さんも「夜光族」のひとりだ。

  夜の娯楽やレジャー、ショッピングの選択肢は豊富になる一方だが、これは都市の発展や都市機能の充実と切り離すことはできない。また、インターネット上でも「ナイトタイムエコノミー」ブームが起こっている。アリババグループがこのほど発表した「アリババ『ナイトタイムエコノミー』リポート」では、ネット上の「ナイトタイムエコノミー」が描写されている。日が暮れると、ネットショッピング・ユーザーたちの買い物のピークが訪れる。21時から22時の時間帯はショッピングサイトのタオバオの受注のピークだ。21時以降の二線都市(経済・文化が発達した地域中核都市)でのフードデリバリーの消費の伸びが最も速く、フードデリバリーサービスの発展で都市の半径は広がり、郊外のデリバリー消費拡大のスピードは中心部を上回っている。夜間の文化活動に関する消費も非常に旺盛で、報告では19時から21時がエンターテインメントを楽しむピークの時間帯で、文化インフラの発達した北京、上海、天津、成都、杭州が最も盛んだという。

  浙江工商大学の唐代剣(とう・だいけん)教授は「消費者であれサービス提供者であれ、『夜光族』は活気あふれる国内市場の創造者になっている」と説明した。

  国家統計局が15日に発表したデータによると、今年上半期(1~6月)の経済成長に対する消費の寄与率は60%を上回り、最大の原動力となっている。「ナイトタイムエコノミー」は消費の新しい成長点で、その発展は経済的命題というだけではなく、ガバナンスが試される問題だというのが正しい理解だと、取材の中で多くの専門家が指摘した。

  北京人民芸術劇院の著名俳優、濮存昕(プー・ツンシン)氏は「都市のナイトライフは単純に食べて飲んでだけではない」と述べ、ますます多くの人が夜に劇場に足を運んで文化的な演目を楽しむことを生活習慣にしていると指摘した。

  中国国際貿易促進委員会研究院国際貿易研究部の趙萍(ちょう・へい)主任は、ナイトタイムエコノミーはデイタイムエコノミーの自然な延長線上にあり、両者は協調して発展する必要があると指摘、翌日の生活のためにナイトタイムエコノミーで自分を高め、リラックスして心身ともに充実を図ることを推奨したいと話している。(記者/楊洋、張璇)

 

当社のコンテンツは著作権法によって保護されます。無断転用、複製、掲載、転載、営利目的の引用は禁じます。

010020030360000000000000011100441382752961