日本で買い物をする際、中国人観光客に人気の「銀聯カード」に加えて、微信(WeChatペイ)や支付宝(アリペイ)などにも対応していることを示すマークをあちこちで見ることができるようになっていることに気付いている人も多いかもしれない。またレジのスタッフが、慣れた手つきで機器を操作しながら、中国人観光客に、「QRコードをスキャンします」と流暢な中国語で言うのを耳にしたことがある人もいるかもしれない。環球網が報じた。
明らかにされている資料によると、支付宝は2015年に日本に進出し、主要な小売店やチェーンレストラン、大都市の空港などをカバーしており、17年末には日本で支付宝が利用可能な店舗数が4万5000店に達している。
アント・フィナンシャルの取締役会長兼最高経営責任者(CEO)である井賢棟氏は先ごろ、「将来的には日本各地のより多くの企業や商店にアリペイを導入してもらい、インバウンドでの地方経済活性化に貢献したい。また、日本国内のパートナー企業各社とともに、2020年の東京オリンピックまでに日本全土でキャッシュレス決済の環境を整え、訪日観光客の利便性を高めたい」と述べた。
昨年初め、日本のコンビニ大手のローソンは支付宝との提携を発表し、日本全国にあるローソンの1万3000店舗全店で支付宝を導入する計画を明らかにした。
東京新宿にあるローソンを取材すると、ほとんどの店舗で支付宝で精算できるようになっていた。精算時には店員に「アリペイ」、又は「支付宝」と言うだけで、レジで対応してくれる。
また日本で最も人気がある総合ディスカウントストアのドン・キホーテは昨年7月3日に、微信支付との提携を発表し、世界で100番目の微信支付加盟店となった。渋谷や新宿などのドン・キホーテ37店舗でも、免税カウンターで微信支付の利用が可能だ。精算の際、店員が専用のスマホでQRコードをスキャンし、金額もリアルタイムのレートで計算される。
日本の企業はオフラインだけでなく、オンラインでも積極的に中国のモバイル決済を導入して、集客力アップを図っている。今年6月、USEN―NEXT HOLDINGSは、日本国内の飲食店やホテルなどで、支付宝や微信支付の使用を可能にしている。
実際、日本政府も各種対策を講じて、電子マネー決済の割合を向上させようとしている。例えば、今年4月、経済産業省はクレジットカードや電子マネーなどで支払う「キャッシュレス決済」の比率を2025年に40%に高める目標を決めた。そして、将来的には80%まで伸ばしたい考えだ。 しかし、中国のモバイル決済はすでに日本に上陸しているにもかかわらず、日本人の主流の決済方法となっていないのが現実だ。
「香港経済日報」の報道によると、日本の店舗5万店で支付宝の利用が可能になっているが、第三者決済サービスを利用する日本人は非常に少ない。
日本でモバイル決済を利用するのは、ほとんどが中国人留学生や旅行、出張で日本に来た中国人となっている。 新宿の街中で日本人を対象に調査を行ってみると、40歳以下の回答者の多くはモバイル決済を使ってもいいと答え、うち50%がすでにモバイル決済を使っていると答えた。しかし、利用しているのは「Apple Pay」で、ほとんどの人が微信や支付宝を知らなかった。一方、40歳以上の回答者の大半は、現金かクレジットカード、日本のプリペイド型電子マネーなどしか使わず、モバイル決済はあまり使いたくないと答えた。 モバイル決済を使いたくないとする理由は様々だが、一番多かったのは、消費の習慣、金銭、プライバシーに対する考え方が原因だった。
井賢棟氏によると、「日本でキャッシュレス決済を普及させ、日本人にその手段を利用してもらうための道のりは険しく長い。多くの商店やレストラン、特に地方の店は、現金しか使えず、オンライン決済端末の設置すら渋る。その理由は、ほとんどの客が現金のほうが安全で信頼性が高いと考えているからだ」としている。
(人民網日本語版)
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