【新華社北京8月16日】中国国家統計局が14日発表したデータによると、7月の国民経済は安定的に成長し、全体的に「穏中有進」(安定の中、進歩あり)を呈出、社会消費財小売総額と固定資産投資増がやや鈍ったが、高度化関連消費が急増し続け、投資構造が改善している。専門家は、引き続き供給側構造改革を深化、積極的な財政政策と的を絞った準備率引き下げなどの金融政策を通じて弱点分野への支援を強化、インフラ投資を拡大し、実体経済の安定的運営を守っていく必要があるとの見解を示した。中国証券報が伝えた。
▽ニューエコノミーが奏功
国家統計局のデータによると、1~7月、全中国の固定資産投資(農家を含まず)は前年同期比5・5%増の35兆5798億元、伸びで上半期より0・5ポイント低下した。7月、社会消費財小売総額は名目で8・8%増の3兆734億元、伸びで6月から0・2ポイント低下した。
投資、消費の伸びがやや鈍ったが、「ニューエコノミー」が奏功しつつあり、産業構造の改善が進み、新型消費も急ピッチで進んでいる。
国家統計局の劉愛華報道官は、7月の経済データでは、新たな原動力が表れていると指摘。工業は、ハイテク製造業、戦略的新興産業とも比較的速い成長を維持し、産業用ロボット、集積回路、新エネルギー車などの生産量も急ピッチで増えている。サービス業では、上半期、戦略的新興サービス業、ハイテクサービス業の営業収入とも15%前後の伸びを維持したという。
また、新型需要も急増。1~7月、実物商品のネット通販の売上高は29・1%増を記録し、全体の17・3%を占め、前年同期より3・5ポイント向上し、ネット通販の影響力の拡大を示した。
▽三大分野の投資の伸び分裂
専門家は、インフラ投資減速を7月の経済減速の主要因とみている。個別に見ると、三大分野の投資の伸びはばらばらだ。製造業投資は小幅回復、不動産投資は2桁増を取り戻し、インフラ投資減速は固定資産投資増を妨げる主要因とされる。
1~7月、全中国の不動産開発投資は10・2%増の6兆5886億元、伸びで1~6月期を0・5ポイント上回った。同時期に、製造業投資は7・3%増となり、伸びで上半期と第1四半期(1~3月)よりそれぞれ0・5ポイント、3・5ポイント拡大し、投資全体を1・8ポイント上回った。インフラ投資は年初の2桁増から1~7月の5・7%に落ちた。
中国民生銀行の温彬上席研究員によると、製造業付加価値の伸びが回復、産業イノベーション・高度化の効果が大きかった。不動産投資の底入れ反転は、不動産工事建設・販売の全面回復に伴う投資加速によるものだが、不動産投資増への土地取得費の貢献は否定できない。
▽政策が経済を支援
7月23日の国務院常務会議は、積極的財政政策はより積極的になるよう求めた。同月31日の中央政治局会議は、財政政策は内需拡大と構造調整の面で、より大きな役割を果すべきだとし、インフラ投資を供給側構造改革・弱点補強の重要内容として位置付けた。
長江証券研究所の趙偉上席マクロ債券研究員は、下半期のマクロ経済は農村インフラ整備、新型インフラの弱点補強、産業高度化、イノベーション・研究開発などの分野に的を絞り持続力を強化、「穏中有進」を実現するとの見解を示し、経済原動力の下向きリスクがコントロールできると強調した。
華泰証券の李超上席マクロアナリストは、財政政策に刺激され、下半期のインフラ投資増が底入れ反転し、通年で13%~15%の水準に戻る可能性があると予測した。
財政政策のほかに、金融政策も、的を絞った準備率引き下げを通じて実体経済の安定的な成長を促進する見込みだ。中国交通銀行の連平チーフエコノミストは、将来、中国人民銀行(中央銀行)は金融政策を維持し、情勢判断と微調整を強化、小規模・零細企業など実体経済への金融支援を誘導、国内企業の圧力を軽減するとみている。
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