【新華社北京８月１０日】中国のベンゼン市場価格は７月初めから続騰し、年初以降の最大の上げ幅を記録した。中国石油化工集団公司（シノペック）は先週、ベンゼンの価格を２００元（１元＝１６円）引き上げ、１トン当たり６８５０元とした。華東市場のベンゼン協議価格は１トン当たり６９５０元～７千元に達した。上海証券報が伝えた。
９日付の「中国化工報」の報道によると、河南開普集団市場部の邵会文経理は、ベンゼン川下市場は７月、好調であり、９０％以上の川下企業は黒字を保ったと紹介した。スチレン、シクロヘキサノンなどの利益は１トン当たり２５００元～３５００元に達し、一部の企業はさらに４千元に迫った。
シノペックや中国石油天然気（ペトロチャイナ）などによると、８～９月は、安徽昊源の年産２６万トンのスチレン装置の稼働開始や、山東金嶺の年産２０万トンのアニリン装置の再開が、ベンゼン需要をいっそう刺激する見通しだ。
河南石油化工網の統計では、７月以降、ベンゼンの港湾在庫は低減し続けた。８月３日までに中国の主要港湾の在庫は２４万トンから２０％減の２０万トン前後となり、しかもさらに減少する可能性がある。
港湾在庫だけでなく、メーカーの在庫も低水準になった。海外市場価格の騰貴は輸入資源の入港状況に影響し、国内市場を押し上げると同時に、売り手にも強気材料をもたらす。３日のベンゼンＦＯＢ韓国市場終値は１トン当たり８７６ドル（１ドル＝約１１１円）に達し、人民元建てでは７千元を超えた。
山東省の石油精製所によると、原油価格の上昇や消費税追加徴収の影響で、操業停止や生産制限が相次いだ上、規模の大きいごくわずかの精製所は破産申し立てさえもした。
業界筋の分析によると、需要が増える一方、ベンゼンの供給は減少する見込みであるため、貿易業者は投機の動きを強めている。市場は上昇相場にあり、短期的に見ると、海外市場価格が堅調な推移を維持し、国内市場にはさらなる値上げ余地があることから、下半期に再び年内新高値を記録する可能性がある。
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