【新華社蘭州8月7日】中国甘粛省文物考古研究所はこのほど、河西回廊の西城駅遺跡の考古学発掘情報を発表した。8年にわたる発掘作業の中で、同遺跡では大量の木本植物の木炭が出土した。これらの木炭は、今から約3700年前後に現地の気候が夏涼しく冬暖かい湿潤気候から、乾燥した気候に変わったことを示しているという。
同研究所の陳国科博士は「これらの木炭は、当時の環境や気候の変化をある程度示している」と語るとともに、「今から約4千年前、河西回廊の気候は乾燥、冷涼へと向かい始め、3700年前にはそれまでよりも乾燥するようになった」と説明している。
同遺跡は河西回廊中部の甘粛省張掖市内にあり、面積は35ヘクタールで、約4100~3500年前のものとされている。
同遺跡から出土して鑑定された木炭は主にトウヒ属、ヤナギ属、ポプラ属など13種類の木本植物で、このほかメンヨウ、ブタ、アカウシ、イヌ、シカ、ウサギ、げっ歯類動物などの骨が出土した。
同研究所によれば、トウヒ属の存在は西城駅文化期の気候が夏涼しく冬暖かい湿潤気候で、相対的に湿度のある環境だったことを示しているという。また、河川両岸の河原や低湿地に多く分布するヤナギ属の存在は遺跡の周囲に川が流れていたことを意味するという。そして、四壩文化初期(今から3700~3500年前)になって強い日差しに耐え寒さに強いポプラ属の先駆樹種の割合が上昇したことは、この時期に気候がさらに乾燥、冷涼化したことを暗に示しており、家畜動物である牛や羊の割合が上昇し、げっ歯類動物が多く見られるようになったことは四壩文化期の遺跡の周囲が甘涼草原(草地)を主とする自然環境だったことを証明するとしている。
陳氏は、今から4100~3500年前の間に、同遺跡地域の気候に一定の変化が生じ、4千年前ごろの気温低下、乾燥化の影響を受け、これ以後中国北部地域は乾燥、冷涼の傾向が進み、同回廊では特に顕著に表れたと説明している。
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