【新華社アブダビ7月20日】7月のアラブ首長国連邦(UAE)は強烈な日差しが照りつける。首都アブダビから海岸線付近の高速道路を北に約60キロ進むと、青緑色の海辺にあるハリファ工業地帯が見えてくる。中国がUAEと共同で建設する生産能力提携モデルパークはここにある。
中国-UAE生産能力提携モデルパークの建設は炎天下で着々と進み、大型重機の音が絶えることはない。同パークの王楷副経理は「管理委員会のビルを現在建設している。年末までに主要構造部の屋上が完成し、来年4~5月には使用を開始できる」と語った。
王氏によると、モデルパークが建設用地として取得した10平方キロの敷地のうち、2・2平方キロでの工事が今年5月に着工した。現在までに中国企業十数社がパークへの進出合意書に署名しており、投資総額は約34億元(1元=約17円)を見込むという。
中国の習近平国家主席は2015年12月、北京でUAEのムハンマド・アブダビ首長国皇太子と会談した。双方は各分野、各レベルの交流と協力を緊密にし「一帯一路」共同建設の枠組み中での実務協力を強化、互恵・ウインウインと共同発展を実現していくことで合意した。
両国首脳の重要な共通認識を実行に移すべく、中国国家発展改革委員会は両国の生産能力提携を主導する部門として江蘇省を指定、同省の海外合作投資有限公司をモデルパークの投資主体として投資開発と運営管理に当たらせることを決定した。
ハリファ工業地帯の主管するアブダビ・ポート・オーソリティのロス・トンプソン首席商務・戦略担当官はここ数年、頻繁に中国の江蘇省や上海市、香港特別行政区などを訪れている。トンプソン氏は中国側パートナーの専門性を高く評価するとともに、双方の協力は長期間で、利益を得られるだろうとの認識を示した。
ロス氏は、同オーソリティと中国との2大協力プロジェクト、生産能力提携モデルパーク建設プロジェクトと中国海運大手の中国遠洋運輸(COSCO)の港湾管理会社・中遠海運港口のアブダビ港埠頭建設プロジェクトの着工が、両国間の貿易と協力関係を強力に促すとの考えを示し、UAEは湾岸地域での「一帯一路」重点プロジェクト建設で先駆者となる語った。
倪堅駐UAE中国大使は、モデルパークが両国の「一帯一路」枠組み内で行われる生産能力提携の手本になるとの認識を示した。
UAEのスルタン・アル・ジャベル国務相も、両国の生産能力提携が持つ巨大な潜在力に期待を示す。スルタン氏は、UAEが中国と「一帯一路」の枠組みのもとで実務的な協力を強めることを非常に重視しており、モデルパークの建設は両国間の重要な戦略的協力プロジェクトとして、両国の戦略的パートナーシップに新たな力を注ぎ込むとの認識を示した。
統計によれば、2017年末現在における中国によるUAEへの各種投資ストックは90億9千万ドル(1ドル=約112円)で、2017年の対UAE直接投資フローは6億2千万ドル。UAEにとって中国は最大の貿易パートナーであり、中国にとってUAEはアラブ諸国で第2の貿易パートナーかつ最大の輸出市場となっている。
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