【新華社北京7月19日】ドイツの時事評論家ベルナー・ルグマ氏はこのほど、中米経済貿易摩擦などの問題に関する新華社の独占取材に対して、米国の一国主義、保護貿易主義は今に始まったものではなく、現在の情勢下で新しく生まれたものではないとの見方を明らかにした。
同氏によると、米国は第2次大戦終了後、一貫して関税以外の措置で一国主義、保護貿易主義を実行に移してきたという。1944年には米国主導でドルを基軸通貨とする国際通貨システムを構築するとともに世界銀行を設立し、米国の世界経済と貿易における覇権を確立した。
米国は1947年には、シャルル・ド・ゴールを政府から排除することを条件として、西欧諸国に対してマーシャルプランを実施し、1948年には、社会主義国とのハイテク製品の貿易を規制するために、対共産圏輸出統制委員会(COCOM)の設立を提唱した。保護貿易主義的政策はさらに米国の同盟国である当時の西ドイツにも及び、米国は1960年代には、西ドイツが旧ソ連との間で石油と天然ガスの貿易を行うことを禁じた。1975年には外資投資委員会を設立して日本の米国への投資を規制したが、同委員会は現在に至るまで有効に機能している。米国は2001年まで、中国の世界貿易機関(WTO)加盟に反対してきた。オバマ米前大統領も大統領令を発し、中国福建宏芯基金(FGC)によるドイツの半導体製造装置メーカーであるアイクストロン社のアメリカ国内にある子会社の買収を阻止した。
同氏はまた、米国は先般、欧州連合(EU)、カナダ、メキシコなどの鉄鋼・アルミ製品に対する追加関税を発表し、最近では、中米間で復数回にわたって行われた通商協議に基づく合意を無視して、対中制裁関税対象リストを発表し、貿易戦争に火をつけていると指摘した。 同氏によると、この一連の措置は世界経済に直接的なマイナスの影響を与えるという。米国を中心とする西側経済体には多くの構造的な問題が出現し、全体的な成長は非常に緩慢になっている。主導的地位にある金融関連産業の成長も不安定で、景気後退に伴って金融バブルが発生するリスクもある。労働者、中産階級、民間事業者の間に深刻な所得の不平等感が広がっている。
さらに、中国とドイツは共に経済のグローバル化の受益者であるとし、ドイツの労働組合、経営者、企業主は共に、中国のドイツに対する投資は、雇用の増加、経済の安定と成長、両国間の技術交流促進、市場の開放と拡大にとってプラスの効果があると認識しているという。その上で、同氏は現在の米政府の圧力下にあっては、中国と欧州、中国とドイツの協力には、今ある基礎に加えて新たな方式と手段が必要であると強調した。
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