【新華社東京7月21日】中国の都市に関する総合ランキングをまとめた「中国都市総合発展指標」の日本語版「環境・社会・経済 中国都市ランキング」がこのほどNTT出版より刊行され、19日に東京都内で出版記念パーティーが行われた。同書によると、中国都市総合ランキングの上位3位は、北京、上海、深圳の順となっている。
これまでは国民総生産(GDP)や人口の順で並べられることが多かった都市のランキング評価方法を変え、環境、社会、経済という3つの軸(大項目)を定量化、可視化しながら、中国の都市の持続的発展状況について多角的に分析、評価したのが「中国都市総合発展指標」だ。
同指標は、権威性、総合性、応用性を兼ね備えた中国初の都市発展評価指標で、GDP、人口、平均賃金、上場企業、国際会議、科学技術、高等教育、水資源、PM2・5指数、輸出入、外資の受入、交通の利便性、観光客、ホテルの数やグレード、世界遺産、映画館数など、あらゆる視点から都市ごとに総合的にまとめ、順位付けしたもの。
指標の開発には東京経済大学の周牧之教授らのチームのほか、中国共産党中央財経指導小組弁公室元副主任の楊偉民氏、中国国家発展改革委員会発展計画司元司長の徐林氏など、中国の第13次5カ年計画の作成に携わったメンバーも参画した。
同書の巻頭言「日本語版によせて」を執筆したセブン銀行元会長の安斎隆氏は記念パーティーで「健康診断で身長だけを測ってもあまり意味がない。GDPだけを見ても都市の中身がわからない。立体的、多角的に見て競争力があるかどうかが初めてわかる」と同書を評価した。
パーティーには政財界から約100人が参加し、乾杯の後、著者代表の周牧之氏と指標の作成と出版に関わった豊橋技術大学学長で東京大学名誉教授の大西隆氏、東京大学EMP特任教授で社会システムデザイナーの横山禎徳氏を講師としたセミナーが行われ、指標作成の経緯や中国の都市計画への影響などについてディスカッションを行った。
なお、総合ランキングの4位から10位は上から順に、広州、天津、蘇州、杭州、重慶、南京、武漢の各都市となっている。(徐学林)
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